先日東京のTRカンパニーさんに、ボアアップ作業が完了したZ400LTDを引き取ってきました。
2つオーバーサイズののピストンが入ったので、排気量的には450ccを超えます。
今回の記事では、
- 引き取りに行ってからの車両との対面
- 試乗して感じたこと
- 帰路で感じたこと
大きくこの流れでインプレをしていきたいと思います。
引き取り当日に、何名かの方がわざわざTRさんまで顔を出してくださって、とても嬉しかったです。そちらについてはまた別途記事を書きたいと思います。正直記事が長くなりすぎて書ききれないのw
引き取り当日の朝

4/29の朝7時半に、電車に乗って東京へ向け出発。
1年くらい前のダイヤ改正で、「東京上野ライン」という路線が出来上がりまして、栃木県の黒磯発⇒静岡県の熱海行という、5都県マタギの長距離普通電車ができました。今回乗ったのがコレです。グリーン車が付いているので楽ちん。
GW2日目の日曜日ということだけあってお客さんがすごく多かったのですが、乗車は宇都宮以北からだったので、普通にグリーンに乗れました。地の利ってやつですね

そこから浦和、南浦和、西国分寺を経て東小金井へ、合計3回乗り換えました。
- 隣の人に足を踏まれながらひたすら耐えた、すし詰めの満員電車。
- 西国分寺では駅のホームにミスタードーナツが出店されていて、電車の待ち時間でポン・デ・リングを購入して頬張る人に驚く。
- 降りた東小金井駅にあった「ザ・ガーデン」という高級スーパーに入店したところ、せいぜい握りこぶし程度の大きさの小型アンパンが160円で売ってあるのに驚愕する。
などなど、東京を全身で感じることが出来ました。

そして駅からタクシーでTRカンパニーに到着です。
先にも述べたように、自分が来るということで、何名かの方々がTRカンパニーまで遊びに来てくれていました。本当に嬉しく、ありがたいなぁという気持ちになりました。
ッッmそちらについては別記事で記載し、今回はLTDのインプレッションをメインに記載します。
LTDとの再会

LTDは工場の奥に置かれていました。

パット見た感じは違いがわかりませんが、よく見るとシリンダーとクランクケースの部分に真新しい緑色のガスケットがチラリ。うん、組み替えていただいています。朝に最終の試乗を終えられたようで、クランクケースが暖かかったです。
ちなみにこのクランクケースカバーですが、自分がBLOGの読者さんの要望でバイク部品を海外から代行購入した際、御礼の品としてもらったものです。新品の部品番号票付きの当時物でした。

実は購入時から付いていたクランクケースカバーは、おそらく立ちごけか何かで割れが発生していました。その傷を外からアルミ溶接で補修してあったんです。

今回分解して頂いて初めてわかったのですが、補修部位の裏側から液体ガスケットをコレでもかと塗りつけられていて、かなりの荒療治だったことが分かります。
それ自体は車両の歴史を感じられるもので嫌いではありませんでした。でも、せっかく頂いたものを今回使わずしていつ使うんだ!という思いもあり、ベストタイミングの今回、ボアアップ作業に合わせて装着をお願いしていました。
結果、後藤メカの手で美しくバイクに収めて頂きました。
ばらした部品

トレイに並ぶはLTDから外された臓物達。
スプリングやバルブの類もとてもいい状態だったようです。エンジンオイルオイルは走行距離2000kmを上限として、必ずそれ以内には交換するようにしていました。それが良かったのか、元々頑丈なのか。
エキゾースト側のバルブに関しては、自分が手配したものが純正部番通りに注文したものの微妙に長さが異なっていたようで、気持ち悪かったのでこれまで使っていたものを流用することにしています。

またロッカアームも4個新品手配したうち、1個だけ違うものが混ざっていたみたいです。なのでこちらも1個だけは中古流用です。
後藤メカいわく、ホンダのCB系のものに似ているとか。スペアパーツとしてTRカンパニーさんに寄贈してきました。僕が持っていてもしょうがないのでね。

その他色々技術的なお話をしまして、今後の整備のプランとか、ボアアップ後に気をつけることなど、非常にテクニカルで楽しいお話することが出来ました。
試乗

LTDを工場から出してもらい、試乗することにしました。
「サービスマニュアル上の440ccでの標準セッティングにしているけど、プラグもいい焼け色だし、フィーリングも特に違和感は感じなかったです」
という後藤メカのコメントをいただき、走り出しです。ここからファーストインプレッションを書きます。
エンジンについて

始動性は極めて普通。癖もかかりにくさも一切なし。排気音も特に大きくなった印象もなければ、ビート感も変わりません。走り出して、驚くようなパワー感は無いなと感じたのがすごく印象に残っています。トルクも特筆すべき変化はない。
敷いて違いを見つけるとすると、50km/hくらいで走っているかな?と思ってスピードメーターを見たら、針が60km/hを指していたということでしょうか。これはおや?と思いました。あとエンジンの回転上昇速度が、若干早くなった、気がします。
はっきり言ってしまえば、慣らし運転が終わっていない段階で、エンジンフィールの違いを感じ取るのは極めて難しいかもしれません。回転の上限も慣らし運転!ということで4000rpmに制限されていますし、もうちょい回したらトルクのピークも出るので、フィーリングはちょっと変わるかもしれないけれど。。
割と混雑している道では、ボアアップ前後の違いを感じ取るのが非常に難しいな、、、、というのが正直な感想です。
車体について

これはもうビンビンに感じ取ることが出来ました。今回の改造に合わせて車検も取ったので、全面的な車検整備をしてもらったんです。おかげで各部のシャキッと感が凄い。
特に感じ取れたのがフロントフォークです。O/Hされていて挙動が極めてスムーズ。それまでガタン!と段差を超えていたところを、スン、、、、といなす前輪。
「うおー!フォークが仕事している!!」
とヘルメットの中でにやけました。

ステムベアリングもバッチリグリスアップされているので、サイドスタンドを立てた後の前輪の動きが非常に軽やか。直進安定性が向上した気がします。
リアブレーキも節度ある効き方をするし、後輪もよく動き、しっかり路面を追従してくれます。おそらくスイングアームのピポッドも整備してもらったんだと思います。

立ちごけで曲がってしまったシフトレバーや、ハンドルも修正してもらっていました。スロットルの遊びも適度で運転しやすいし、クラッチのキレもいい。
不思議なもので、車体の剛性感が上がったようにすら感じました。後藤メカ本当にありがとうございます。
帰路

小一時間程度色んな方とお話をしまして、帰路につくことにしました。
外環大泉まで走り、川口JCTから東北道に入って、北関東自動車道経由で帰ります。
これが結構しんどかったんです。
4000回転制限
下道は別に何とも無かったんですよ。ストップ・アンド・ゴーも多いし、せいぜい60km/hしか出せないので何の問題もなし。
問題は高速に乗ってから。
80km/hしか出ない。
慣らし運転の4000回転制限を遵守して、宇都宮まで走り続けました。そしたらMAXが80km/hでやんの。コレには閉口しました。
歯を食いしばり、スロットルをキープするため肩甲骨に力を入れ、レザーグローブ越しにスロットルグリップが微妙に滑る感覚に神経を集中しながらの80km/h巡航。サービスエリアも大混雑だったので立ち寄らず、ひたすら走り続けました。

今のギアのプロファイルで100km/h以上出そうと思ったら、少なくとも5000回転までは引っ張らないといけません。
ちなみにLTDはタコメーターの針が「垂直に立ち上がる位」からが面白みを強く感じるバイクです。トルクのピークが5500回転くらいなので、それ以上をキープし続けて走るのがとても楽しい。4000回転前後で走り続けるのは、寸止め食らって我慢し続けている感じで非常にもやもやします。なにか大学の時の原付ツーリングを思い出しました。

80km/hで走ることが法規的には違反ではないとはいえ、当然流れは100km/h以上です。後ろに付いた車は車線変更して追い越していき、おそらく200台以上に抜かれました。
最初は道の真中を走っていたのですが、かなり煽られたのでベタベタのキープレフトで走りました。殆どの車は避けてくれたんですが、煽られるし、車線変更無しで突っ込んでくる車も居ました。その時は一時的に路肩走行でやり過ごしました。怖かった。。
まぁ色んな人がいるから、コレはしょうがないのかもしれないね。遅くて迷惑かけているのは間違いないから。申し訳ない。
あの時は、ただただ「早く家に帰りたい」という気持ちだけを抱いてLTDを走らせていました。

80km/hで走っていてわかったのが、スマホナビの到着時間がどんどん伸びるということです。ナビって100km/h巡航で計算しているんですね。10km走る毎に1分到着予定時刻が伸びていくのが面白かったです。
それと、同じくらいの速度で走るスーパーセブンがいて、ずーっと80km/hをキープして走行していたんです。このセブンも慣らし運転だったんでしょうか? 道中30km位お供をしました。ある程度車間を開けて後ろを付いて走行。コレが非常に楽ちんでした。ありがとうスーパーセブン。
高速を降りてから

2時間弱走り続けた末、やっとの思いで高速道路を降りました。ここでようやく違いを感じ取りれたんです。
料金所で一旦停止してお金を払っている際、今まで感じたことがないほどアイドリングが安定し、なおかつ音が太い。
400cc時代はバラバラバラバラという連続した音だったのが、今回バラッバラッバラッバラッと一発一発が歯切れのよい大きな音に感じたんです。あれ?なんか違うぞ?という明確な変化を感じ取れて嬉しくなりました。

そして高速を降りた直後はバイパスだったんですが、そこからショートカットするために田舎道へ。そこに入ったらもうLTDのフィールドでした。一般道で80km/h出せれば基本的に十分じゃないですか。だから4000回転という制限の中でも、交通の流れをリードしながらぐんぐん加速できるんです。
試乗の時に感じた「若干回転が上がる速度が速くなったような感じ」はおそらく正しくて、4000回転上限を守ろうとすると、今までの感覚より若干早めのシフトアップを要求されました。ただそれでもストレスを感じるようなものではなく、次々にギアを上げて6速で開けた農道を巡航できます。
スロットルの付きも素直で、ひらりひらりとコーナーをクリアできる。馬力云々というより、車両がしっかり整備されているからこその操舵感。
これはたのしい。コレなら慣らし運転も楽しくこなせる。
栃木に戻ってきて、やっとLTDを操る楽しさの一部に触れることが出来たような気がしました。
帰着

およそ2時間半の行軍を終了し、自宅に帰着しました。
無事帰ってこれてよかった。長男が向かえてくれたのも嬉しかったです。
慣らし運転自体は、最低500kmは行います。
後藤メカによるとオーバーホール後は50~100km走行したら一度オイルを変えてしまうそうでして、今オイルを手配中。帰着後は放置し、GWの間にお気に入りの鉱物油を入れる予定です。
その後500km走ったら、オイルフィルター交換を含めたオイル交換をして、それで一旦ならしは終了ですね。それまでの様子などを後藤メカと相談し、追加のならしや作業が必要かどうかは判断します。

ならしが終わって5000回転以上まで回せるようになったら、ボアアップしたLTDの真価がわかると思います。
TRカンパニーの高橋社長の言葉を借りまして、誘惑に負けずエンジンを育てて行きたいと思います。
以上です。
コメントを残す