エンジンのオーバーホールをした際に、TRカンパニーのGメカニックが、
- 「アイドル時や低速走行中に、エンジンからチリチリと小さな音がする」
- 「なったり鳴らなかったりして、再現が上手く取れない」
- 「おそらくカムチェーンテンショナーの、ベアリングとかがヘタっているのかも」
- 「簡単だから交換してみて」
と言われていました。
部品を揃え、交換作業を実施しました。
実際作業自体はとても簡単でした。
購入した部品

今回購入したのはこちらの部品。
すべて楽天市場経由で、ヒロチー商事さんから購入できました。
- プッシュロッド・ROD,PUSH,TENSION-ER:13116-1022
- ベアリング・RETAINER,TENSION-ER:14020ー1002
- カラーテンショナー・COLLOR,TENSION-RE:92027-1240
GPz250とか、ZZR250とかの部品と共通だったようで、無事入手することができました。

ピカピカの当時物ベアリングです。出てきてくれてありがとう。
作業概要

テンショナーはこの真中の出っ張った部分。ネジ2本で留まっています。
作業詳細はサービスマニュアルに書いてありました。

外から見えているのはカバーになっていて、中にプッシュロッドとスプリングが入っています。
取付時にはプッシュロッドを7番のロックボルトで固定する仕組み。

エンジンにサブアッシー状態になったテンショナー一式を取り付けた後、ロックナットを緩めるとスプリングの力でプッシュロッドが発射されます。
それが先にあるテンショナーのソリを押して、カムチェーンにテンションを掛けます。

テンショナーを外している際は、クランクシャフトを回してはいけないとのこと。カムチェーンのタイミングが狂う可能性があるとか。
なにげに怖いことが書いてあります。狂ったチェーンタイミングを戻そうとしたら、またヘッドカバーを開けていろいろやり直さなければなりません。それは絶対に避けます。
取り外し作業開始

とは言え、そんなに気負うほどのこともありません。
上下のボルトを少しづつ上、下と外していき、

カバーを外します。

エンジン内に入っていたのできれいですね。
こういう写真を作業中に撮影しておくと、再組み立ての時にどうなっていたか分かるので非常に便利です。
内部部品の様子

左がエンジン側。
順番に、スプリング、ベアリング、サークリップがついています。サークリップは取り外して、新しいプッシュロッドに取り付けて再利用します。
その先にワッシャー1枚。コレはカバー側です。その先に長いスプリングが付きます。

プッシュロッドのエンジン側に摺動痕、並びに焼けが見られました。

おそらく曲がりとかそういうのはないと思いますが、39年走ってきたダメージは確実に感じられました。

カバー側。こちらもきれいに拭き上げます。まだ緑色のPenn Grade1オイルが付着していました。ちゃんと守ってくれていたみたいです。
↓投入していたオイルについて。空冷の旧車にピッタリの良いオイルです。
取り付け

最初緩めておかなければいけなかった、カバー先端のロックナットを緩め忘れていました。
卓上万力を使って外します。長男がなんとなく手伝ってくれました。締める緩めるの概念はわかっているみたい。
ガイドの挿入

カバーを洗浄。O-ring溝に砂などが入っていたので、パーツクリーナーや綿棒を使ってきれいにこそぎ落とします。
カバー側に鉄のガイドが挿入されていました。
軽圧入状態になっていたので、コンロで焼いて温めて取り外し。子供が周りにいる中での作業で慎重を要したので写真はなし。

この新しいガイドブッシュを挿入しました。
プッシュロッドの挿入

新品のプッシュロッドをカバーに差し込みます。すごく硬い鉄でした。
中には長いスプリングが入っていて、先程緩めたロックナットを使って固定されています。結構なテンション(張力)がかかっています。

プッシュロッドはこのようにスリットが入っていて、カバー側にも溝が切ってあります。
ここにハマるようにプッシュロッドの位置合わせをして差し込むんですが、スプリングが結構強いのでかなりの指力を使います。そして中々スリットにはまらないのw
ベアリング以降の挿入

ベアリングにワコーズのラスペネを浸透させて、

先程のプッシュロッドに、ベアリングと短いスプリングを差し込みます。
O-ringも水道水で拭き上げた後、キッチンペーパーで拭き上げ。その後エンジンオイルを薄く塗布して装着します。
コレでカバー側のサブアッシー完成です。
エンジンに装着

エンジン側の装着部をパーツクリーナーでしっかり洗浄した後、サブアッシーを差し込みます。

サブアッシーを指でしっかり押し込みながら、上下のボルトを少しづつ回していきます。指で回らなくなったらラチェットレンチでトルクを掛けて固定。
その後、先端のロックナットを緩めます。
ある程度緩めると、
「バチン!!」
という音がしてプッシュロッドがテンショナーに向けて発射されます。
最後にロックナットをまた締め付ければOK。取り付け完了です。
まとめ

走行したら、チリチリという異音はなくなった気がします。
走り出す時怖かったですよ。カムチェーンのタイミングずれていたらどうしようかと思って(苦笑
カムチェーンのテンショナーの交換完了です。
比較的簡単な作業でした。
追伸
今回エンジンの回転数制限を取っ払っい、上まで思い切り使ってみました。
50cc分の排気量増により思いの外パワーアップしていました。
下記の記事に詳細を書いています。
こちらの記事も読んでいただいたら嬉しいです。
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