カワサキ Z400RS発売の予感・旧型との比較

2018年のEICMA(ミラノショー)で、2019年モデルの新型Z400が発表されました。

海外モデルZ300の後継に当たるネイキッド、ストリートファイターモデルです。

 

 

日本国内でも販売されそうで、フレームとエンジンはNinja400/250と共通になるようです。

(モデル初期の400Rは650ccとのダウンサイズだったものが、FMCで250と部品共通化)。

カウルが存在しないため数kg軽量で、わずかにキャスターを立てるなどの小変更を施される模様。

 

 

 

Zの名前は125に始まり、250、650、800、900(RS)、1000とフルラインナップ状態だったんですが、400が抜けていました

今回Z400が販売されることで、日本で言うところの普通自動二輪免許で乗れる、最大排気量のカワサキネイキッドが発売されることになります。

 

 

一時期国内ではER-4nがネイキッドとして発売されていて、Ninja400Rとの併売されていました。

ともに650ccのダウンサイジングマシンです。

ただEnの方はお世辞にも販売的に成功したとは言えず、Ninja400RがCB400SFを喰らうほどの売れ行きを見せたのを知り目に、ひっそりと退場していきました。

その後満を持して、はやりのエッジの聞いたストリートファイタールックを纏い、Zと看板を掲げての再登場です。

 

 

驚異的な400ccのスペック

車両のスペックを眺めてみて、かなり驚きました。

車体スペック

  • 全長:1,990mm
  • 全幅:800mm
  • 全高:1,055mm
  • ホイールベース:1,370mm
  • シート高:785mm
  • 重量:167kg
  • 燃料タンク:14L
  • 最低地上高:145mm

エンジンスペック

 
  • エンジン:DOHC水冷2気筒
  • 排気量:399cc
  • ボア×ストローク:70mm×51.8mm
  • 圧縮比:11.5:1
  • ギア:6速
  • 馬力:33.4kw(45PS)/10,000rpm
  • トルク:38Nm/8,000rpm

足回りのスペック

  • フロントサスペンション:41mm正立、トラベル:120mm
  • リアサスペンション:リンク式モノショック(プリロード)、トラベル:130mm
  • トレール:92mm
  • フロントブレーキ:310mm/2pot
  • リアブレーキ:220mm/2pot
  • フロントタイヤ:110/70R17 M/C 54H
  • リアタイヤ:150/60R17 M/C 66H 

 

車重が167kgしかありません。

 

「MT03 CBR400R」の画像検索結果

ライバルとなるであろう、ヤマハのMT-03が166kgです。MTは320ccのマシンで、排気量の差を考えると驚異的な軽さです。

パワーも45馬力絞り出していて、トルクは38Nm(38kgm)を発揮。

キャブレター時代の400cc最大トルクは、おおよそマルチでも3.3~3.4kgmが相場だと認識していたおじいちゃんなので、このトルクの太さは驚愕です。

インジェクションによる緻密な燃料制御と、強力な点火系が為せる技なのでしょう。

 

https://young-machine.com/2018/11/07/16730/

そして数値的なスペック以上に、きちんと爆発してしっかりパワーをタイヤ伝えて、地面を無駄なく蹴り飛ばす車両設計がされていることでしょう。

扱いやすさや走り抜ける快感は旧車のそれとは一線を画するに違いありません。

 

 

RSは発売されるのか?

さて、前置きが長くなりましたがここから本題

その旧車をモチーフとしたネオクラシックモデル。

Z400RSが発売されるのではないか?

という情報がまことしやかに言われていたんですね。

 

情報元はヤングマシン

2018年の11月号の表紙に記載されていまいた。

Z900RSのテイストを入れ込みながら、どことなくゼファーを感じさせるようなイラストがそこにはありました。

飛ばし記事が多いことでも有名なこの雑誌ですが、火のないところに煙は立たないというのも事実。

 

 

ちょっと自分なりに考えてみよう。

Z400RSと言うやつを。

 

そもそもの起こりから含めて。

 

RSとは何だ?

カワサキが使うRSという言葉には、そこそこの歴史があります。

650RS-W3、いわゆるダブサン。

ほぼ同時期に発売された750RS、いわゆるゼッツー。

そして400RSです。

 

この中で、400RSについては結構発売の経緯が複雑ですので、別の記事でまとめています。

そちらもぜひ読んでほしいです。

Z400系の歴史について

 

この3車種で使われ始めた「RS」と言う文字は、

カワサキの4ストロークマシンに諢名されるブランドネーム」

という位置づけになりました。

 

RSの意味

RSは、ROADSTERの略称です。

STARじゃない。STERです。この英語には、「~をする人」「~をするもの」という意味が込められています。

Gangsterなんて言葉もありますね。ハーレーのSportster同じ。

 

車のRoadsterは、「2~3人乗りのオープンカー」という明確な言葉の定義があるのですが、バイクに当てはめた場合の言葉のニュアンスは辞書に載っていません。

ですので、とらえる人によって言葉の感じ方が変わってくるのではないかと思います。

 

自分がRoadsterと言うバイクから連想するのは、「道を駆け抜けるバイク」というイメージです。

ゴリゴリのスポーツライドとは少し違う。淡白な移動とは違い、躍動感、ビート感。

そういった「彩を感じさせるような走り」を想起せられます。

 

同時に発売差入れた2ストローク車両には、紫煙を撒き散らしながら豪快に加速するスポーツモデルのイメージを。

RSシリーズにはスピードも求めつつも、雄大さ、雄々しさを持つ車両のようなイメージを。

そんな棲み分けを、カワサキはさせたかったのではないかと推察します。

 

新型Z400RSのスタイル

もしZ400RSが発売されるとなれば、40年以上前に発売された先代400RSシリーズと同じ、2気筒エンジンを搭載します。

空冷と水冷という機構の違いがあり、パフォーマンスは雲泥の差だと思いますが、スリムでキビキビ走るというコンセプトには共通項がありそうです。

 

予想CGでは、かなりゼファーテイストが色濃く反映されていました。

ゼファーは80年代後半の馬力戦争時代に生まれました。

過度のパフォーマンス競争で疲弊していたライダーの前に、70年台を思わせる、どこか懐かしかったり、または新鮮ば印象を与え大ヒット。

ネイキッドというバイクのジャンルを作った名車です。

 

ちなみに先代の400RSは、Z1/Z2に通じるティアドロップタンクを装備しています。

後期型のZ400になるとZ400FX、ゼファーのような角タンクを装備しています。(ゼファーもRSシリーズではティアドロップですね)

角ばったタンクもかっこいいと思うのですが、バイクの源流をたどるというメッセージ性、Z900RSでZ1リバイバルが大ヒットしていることを考えるに、丸いティアドロップタンクを装備されるだろうと思います。

 

もしカワサキさんがプロモーションをかける際は、Z400にも下敷きとなるバイクが有り、ゼファー、そして400RSという先輩が居たこと。

そのヘリテージを受け継いで登場した、という流れを紹介していただけたら嬉しいですね。

 

 

スペックについて

https://young-machine.com/2018/11/07/160/

おそらくストリートファイターのZ400とほぼ同じスペックになるでしょう。

中低速よりにギアや燃料制御の特性を変えてくるかもしれませんが、カワサキさんがどこまで本気出してキャラクターをいじってくるかは未知数です。

いずれにしろ先述のように45馬力でトルクが3.8kgmも出ているわけですから、街乗りでパワー不足を感じることは皆無でしょう。

 

個人的な主観

ここからは完全な主観ですが、400ccクラスのマシンはこのくらいが楽しいんじゃないか?なんて思ったりします。

 

高速道路をバンバン走って、ロングツーリングをするんだ!と言う人にとっては、若干パワー不足かもしれません。

ただ、こと一般道で瞬間的に80~100km/h出すというような走りをするだけならば、40馬力もあれば十分な気がするんです。

むしろ適切というか、日本の一般道では最適なbikeではないかと思います。むしろバイクの性能を十分に使い切って走れるので、マシンとの一体感を感じられ、楽しいはずです。

 

  • あまり遠出をしない。
  • 近所を走り回って楽しむ事が多い。
  • 月数回しか乗る機会がない。
  • 幸いにも近くに楽しいワインディングロードがある。

そういった環境・生活スタイルにある人だったら、400ccクラスでも十分バイクと付き合っていけると思います。

 

大型を取らなきゃNGという風潮が、ちょっと前まで強かったような気がします。

ただあくまで自分の中での変化なのかもしれないけれど、「中型でもいいじゃん」という気持ちや場の流れ。これがここ数年強くなってきた気がしています。

 

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http://lrnc.cc/_ct/16974327

もちろん大型免許は、車両選択の自由度を広げるツールです。ただ皆が皆ハイパワーを必要としているかというと、たぶんそうではないと思うんです。

400ccくらいでも、先に述べたように用途や生活スタイルによっては十分楽しめます。

僕が子供ができてからのバイクの向き合い方は、週末に短時間バイクに乗るというスタイル。1~2時間程度。これで、とても無理なく楽しくバイクと向き合えています。

 

大型でなければいけないという、ある種の呪縛から、良い意味で解放されつつあるのかな。。 なんて事も感じます。

 

まとめ

400ccクラスで魅力的なマシンが増えるということはとても意味があることです。

アジア・欧州に向けた世界戦略という面でみても、日本国内の免許制度に即した最適なバイクが増えるという意味でも。

個々人がそれぞれの環境において最適な車両を自由に選ぶ。

そんな選択肢を増やす意味からも、Z400RS、本当に発売されるのであれば、素晴らしいバイクになるんじゃないかと思うのです。

 

ぜひ市場に出てきてほしい一台です。

 

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