宇都宮のカフェ マイナースウィング(食べログのリンク)のオーナー Oさんと一緒に、ショートツーリングに行って来たので、レポートを書きたいと思います。
マイナー・スウィングさんは、宇都宮中心部に有る、コーヒーとベーグルが美味しいカフェ。
2~3年前から通うようになって、Oさんとは「一緒にバイクで走りたいですね」と常々話していました。
今回お休みが合ったので、お誘いしてショートツーリングをすることにしました。
集合場所へ
いつも合流地点に使っているコンビニに到着したら、
まさかの雪。
この写真の、白くノイズみたいに見えるのが雪です。
まぁパラーっと舞ってるだけなんですが、心理的なダメージはかなりのものでした。
そしたらすぐ、OさんのCB350エクスポートが到着。
1968年式の初期型。TYPE Ⅰ。
サバイバーチックで、結構ラットな感じの外装ですが、機関や駆動系自体の調子は良さそうでいい音を奏でていました。
サイドバックは高校の時から使っていたものだそうです。当時物ですね。こういうの素敵です。
当初は「道の駅もてぎ」まで行くことにしていたんですが、東の方は鉛色の雲が覆っている状態で、確実に降雪しているだろうと予想。
「とりあえず無難そうなラインまでいこう」という事で話がまとまり、手前の道の駅はがまで走ることにしました。
私のホームコースを使って道の駅芳賀へ
芳賀・茂木方面に向かう際にいつも使う、栃木県道156号線を高根沢町の起点からグイグイ南下しました。
途中全然クルマがいなくて、道路のコンディションとしては最高クラス。
軽快に右左と車体をバンクさせて走りました。またエンジンのツキが本当によくて、低回転からのトルクがバシバシ出るんですね。
何だお前、何もチューニングしませんが。しいて言うなら洗車しただけなんですが。なんか凄く楽しい感じでトルクが出るので、思わずバイクにそんな風に問いかけたくなるくらいでした。
ただいかんせん寒いのなんの。
全然気温が上がらなくて、多分3度位じゃなかろうか、という状態です。
気温もそうなんですが、日差しがほぼない状態だったのが本当に辛かった。
先日から防寒対策の記事を多数書いてきたんですが、どうしても末端の部分、特に手指が相当苦しかったです。左手の中指なんてほぼ感覚がない。本当にしんどかったです。。
道の駅に到着したら、すぐにホットココアに手を伸ばしました。ジワーっと暖かくなる感触に、心も体も救われました。
次の目的地へ
行った事がある方はわかると思うんですが、道の駅はがってかなり地味。
「日帰り温泉」があることで有名なんですが、それ以外は産直市場があるだけで、これといったスポットがありません。
Oさんと話した結果、茂木は諦めて、もう一つの目的地だった益子に向かうことにしました。益子には仲の良いマスターが経営されているカフェが有るとの事で、期待を胸に秘め走らせました。
益子までは大体20分くらい。
すると走りだしてすぐに太陽が顔を出して、体感気温がぐっと上がりました。おひさまのありがたさを本当に身にしみて感じることが出来ました。おひさま温かいです。
貴方が出てくるまでのツーリングは、ぶっちゃけ今年の日の出ツーリングよりしんどかったです。心の準備ができていない状態で、あの寒さは気持ちが折れます。
珈琲店に到着
益子の陶芸村とよばれるスペースの中にあるカフェ イチトニブンノイチさんに到着しました。
自家焙煎でハンドドリップコーヒーを提供してくれるお店です。
ギャラリーも兼ねているようで、カップ、絵、デスクライトや文具に本。様々な小物が展示してありました。不思議なエネルギーが満ちているアーティスティックな空間でした。
お腹が空いていたので、チキンカレーとコーヒーを注文しました。
マラウィという国で取れた豆を使ったコーヒー。南半球のアフリカの豆。初めて飲みました。ビターチョコレートのような、カカオのような、不思議な風味がしました。すっきりしてとても飲みやすかったです。
冷えた身体にカレーがあっという間に吸い込まれていきました。素朴ですが癖になって、また食べたくなるような味わいでした。とても美味しかったです。
コーヒーを口にしながら、マスターとOさんの三人でひとしきり歓談しました。
マスターがラシーンオーナーのようで、いろいろ車の小話で盛り上がることができ、充実した時間を過ごせました。
今度はラシーンでおじゃましたいと思います。
バイク乗り換え
この後はもう帰るだけだったのですが、ここは折角だったのでCB350エクスポートに乗せてもらうことにしました。
同クラスの2気筒のバイクに、昔から乗ってみたかったんです。
ひとことで言うと
「このバイク吠えるぞ」
って言うくらい、良い排気音がしました。
少しスロットルを煽ると、ぐぅわぉおおーーーっ という音が響き渡ります。エンジンから「猫科の動物が喉を鳴らす」ような唸り声が聞こえてくるんです。これが噂には聞いていたホンダミュージックなのでしょうか。
そしてその音と共に、グググッと出力が上がってバイクが駆け出すんですね。低速トルクというより、低回転でもパワーがグッと出てくるいった印象。この感覚が病み付きになるくらい心を躍らせてですね。
すげぇ面白い。
意外だったSOHCの鼓動感
エンジン自体の振動も、結構パルシブな感じで主張してきて、先日乗ったトライアンフ T120に近いものを感じました。もちろん排気量が半分なのでトラの上下振動と比較したら小粒ですが、はっきりとした「主張」が感じられました。
個人的に、この手の振動というか「鼓動感」ってOHVでしか出せないものだと思い込んでいたんですね。SOHCでも、しっかりとした鼓動が出てくるというのは、とても意外な発見でした。
あとでスペックを調べてみたら325ccで32馬力(36馬力と書いてある情報もありますが、たぶん違う)だそうです。数字の上ではパッとしないものの、驚くほど簡単に高回転まで回せるエンジン特性と、装備重量で165kg(乾燥だと150㎏台だと思う)という軽量な車体も相まって、市街地走行や開けた道路のハイペースな巡航では、何ら力不足を感じませんでした。
硬めのシート、幅広ハンドルで開けた視界。なぜだか、またがるとものすごく世界が広く見えたんです。ドッグボーンライザーに慣れてしまったからでしょうか?
そしてLTDに比べて前荷重の乗車姿勢と、軽快なハンドリング。どれも新鮮。50年近く前のマシンとは思えないほどよく走りました。
LTDが現代バイク並みの薄味に感じる
帰宅する直前には、LTDに戻ったんですが、エクスポートと比較して年代の差を感じました。
なんだかんだで、作られた時期が60年台終盤と70年台終盤で10年違うわけで、乗り比べると明確な違いを感じれたんですね。
LTDの方が、エンジンが静かで「高効率」で回転しているような印象。車両の剛性感・安定感が強く感じられて、洗練された乗り味になっています。しっかりパワーが出る感はあるものの、主張しないおとなしい味付けにも感じる。ワイルドさはエクスポートのほうに軍配が上がります。
ただそういうLTDも、現在のマシンと比較したら相当ガサツなフィーリングです。カムチェーンの音がギャインギャインとうるさい。ただそれよりも10年旧いバイクを比較対象にすると、「洗練された印象」を受けてしまうのがなんとも不思議でした。
スピードを出さなくても楽しめる要素
また今回の試乗で思ったことは、ある程度音が出たり振動が出たりしていたほうが、スピードを出さなくても楽しく走れるなぁということです。
実際4~50km/h程度でダラーっと走っていても、エクスポートはエンジンのパルスがバイクに乗っている感を強く刺激してくれました。スピード出さなきゃつまらない!って言う感じがしない。ゆっくり走っても楽しい。
これもトラのT120と同じでした。
エンジンの効率などを突き詰めると、熱・振動・音などは出力効率を低下させるもの以外何物でもありません。
ただ、多少排気音が主張して来たり、ライダーを飽きさせない鼓動みたいなのがあると、移動そのものがエンターテインメントとなり、結果的に「暴走」に近いような事をぜずとも楽しく走れると思うんです。旧いバイクが持っていて、新しいバイクが失ってしまった決定的な魅力って、このあたりじゃないか?と、かなり明確になってきた気がしています。
ちなみにLTDが一番楽しく感じる走行レンジは、80km/hくらいなんですね。法定速度よりちょっと高め。
そのくらいの速度域が、一番トルクを感じながら楽しく走れるんです。田舎道のだらだら巡航ではつまらなさを覚えます。なんか無味乾燥に移動しているだけというか。
そこをなんとかクリアできるようなチューニングができたら、マジで万能バイクになるぞこいつは。
そんなことを感じながら、トコトコという表現が一番似合う感じで、益子から宇都宮に至る道を走っていました。
まとめ
高根沢から芳賀に至る道を走るとき、最初は危険を感じほどに寒くて凍えそうだったんですが、お日様の暖かさを改めて学ぶツーリングとなりました。
そしてCB350という「人気車種」に乗れる、貴重な体験もできました。
ちょっと欲しくなるくらいです。本当に。
やはり自分一人で走るよりも、二人以上で走って、感じたことをシェアできるような走りをした方が、学ぶものとか得るものの大きい。そんな当たり前のことに気づいたツーリングでした。
また暖かくなったら一緒に走りましょうね!
以上です。
初期型は36馬力ですぞ!充分に速い単車です。
⇒中西さん
コメントありがとうございました。
初期型は馬力が高いのですね。
LTDと遜色ない、むしろそれ以上の速さに感じたので、これで合点がいきました。
ありがとうございました。