バイクビギナーさんに向けた、バイク選び講座、その2をお伝えします。
今回お伝えするのは、
4.中古車を買うときに気をつけるポイント
5.走行距離の目安
6.購入時に交換しておいたほうが良い部品
この3つです。
前回記載した「その1/2」で、土台となる考え方ができ、バイク屋さんもある程度決まったという前提で話を進めます。
もし1/2を読んでいない場合は、先に1/2を読んでいただくか、コレを読んだ後に一読していただければ、より理解が深まるかと思います。
バイクビギナーに贈る 初心者向けバイクの選び方(1/2)はこちらから
4.中古車を買うときに気をつけるポイント
まず、基本的に中古車は「納車整備前提」と考えて下さい。
新車を買うときは、すべての部品がほぼ新品で組み込まれています。ですので、基本的に整備関係の心配をする必要はないのですが、中古車の場合は使い古されたパーツがそのまま付いた状態です。
中には店に置かれた状態のまま、ガソリンだけ入れたら走り出せる状態のバイクも有るかもしれません。
ただ、そういったバイクは本当にまれです。
購入時にバイク屋さんに、普通に走っていて劣化しやすい所、消耗する所などを整備してもらって、極力良い状態で乗り出せるようにするのが納車整備です。
特に初心者の方は、多少値段が割高に感じるかもしれませんが、きちんと整備してくれるお店で購入することをおすすめします。現状販売(整備無しでの格安販売)は避けましょう。
買ってからすぐにトラブル連発とかになると、本当に凹みます。せっかく貯めて高いお金払ったのに…というしょんぼりした気分になって、バイクそのものが嫌いになってしまった人も、何人か知っています。本当に可哀想なんです。
みんなが、スムーズに、そして楽しいバイクライフをスタートしてほしい、心からそう願っているんですね。
ほんとうに必要なの?と言う疑問
やたらガツガツ整備を要求してくるとお店に関しては、
「整備で ”ぼったくろう” としてるんじゃないの・・・?」
と邪推してしまう人もいると思います。
ただ整備に関してはやり過ぎるってことは基本的になくて、「財布と相談してどこまでやるか」っていう話になるんです。
必要不必要の判断って、知識・経験が必要不可欠なので、見極めは結構難しい部分だとも思います。整備の安易な妥協は避けたほうが無難。
折衷案としては、バイク屋さんと胸を開いて相談して、
- 「このくらいの金額までだったら出せますから、その中で重要なものから整備してもらえますか?」
- 「半年後、1年後でも大丈夫そうな項目があったら、その時に回させて欲しいです」
などという、双方にメリットが有る提案ができたらベストだと思います。
もし不安なことや、疑問などがでてきましたら、ここのコメント欄とか、メールフォームから相談して下さい。出来る限り相談に乗らせていただきます。
気になった車両についての質問
それから車両を選ぶ際に、
「このバイクはどういう人が乗っていたんですか?」
と聞いてみるのもイイかもしれません。
バイクの仕入れは、
- 業者専用のオークションで買ってくるか。
- お客さんのバイクを下取りするかの。
この大きく2つに別れます。
前者のオークション経由だと、バイク屋さんも前オーナーの素性がよくわからず、車体の状況から推察した情報を話してくれるはずです。
後者の下取り車両、とくにそのバイク屋さんで売り買い・整備されていた車両だと、前オーナーの使い方などを教えてくれる時があります。そういう車両だと、整備履歴やオーナーのクセなどがわかっていますので、整備する箇所もピンポイントに絞ることが出来たりするんですね。
例えば、1年前にフロントフォークのオイル交換をしたばかりで、さほど距離を乗らない人だということがわかっていたら、その部分は納車整備から外したりとか。
あとは、ある程度距離を走っているマシンで、泥道の走行を好む人だったら、ベアリング交換とかも予算次第で視野に入れるとか。
そういう素性が事前に把握できているマシンに出会えると、買い手として見ても、結構「当たり」の場合が多いです。
バイク屋さんも整備がしやすく、納車後のトラブルも少ない傾向にあります。バイク屋さん自体が思い入れを持っている車両だったりする場合もあるので、丁寧に面倒を見てくれる事もあると思います。
ヤフオクでバイクを買うことについて
悪いこと言わないから、やめといたほうが無難です。
- ある程度整備知識がある人が、どうなってもいいからと割りきって安物を買う
- ある程度整備知識がある人が、バイクマニアから希少車両を買う
コレ以外の状況では、ヤフオクは手を出さないほうが無難です。
まじで。
もちろん、良心的な車両もたくさんありますよ。軽整備で動き出すお買い得車両もたくさん。
ただ、事故車とか、エンジンかかるけど、まともに走ったり止まったりしない車両もたくさん売ってます。可愛い顔して、同列に並んで売ってます。
この辺の見分け方は、後で記事にします。
なお、腹くくってヤフオク買ったラシーンは、色々自分で修理しまくって、今とても元気です。
5.走行距離の目安
一般的に、走行距離が3万km超えたバイクは、買い取りの際にガクッと値段が落ちます。
なんとなく、3万km以上は過走行車両みたいな不文律が出来上がっています。車で言うと10万km超えでガクッと値段が下がるのに似た印象を受けます。
まあコレも本当に目安にしかならなくて、結局は前オーナーやバイク屋さんががどれだけ面倒を見ていたかですべてが決まります。
オーナーが適切に整備していた3万~4万kmの車両と、ほったらかしで走り続けていた8000kmの車両だと、前者のほうが明らかに調子よかったりもします。
オイル交換をサボったがために、エンジンの内部の劣化が早まっていたり、定期的にチェーンに油差していなかったりすると、まだまだ使えるはずだったらスプロケットが交換時期に来ていたりとか。だからこそ、前オーナーがどんな使い方をしていたり、どのくらいの整備をしていたかとかが重要になってくるんです。
過走行車両でも、しっかり整備されている車両だと、普通に走りますから。
自分のLTDも、自分が購入してから23000km、多分メーター変わっているんでもっと走っていると思うのですが、普通に調子いいです。
なので、あくまで目安として捉えてくださいね。
蛇足ですが
本当に欲しいバイクが、金銭的な理由や免許的な理由で手に入らない。でもバイクに乗りたいんだょぅ…。
という場合などは、整備された過走行車は結構おすすめだったりします。
車体価格が相場よりも安いので、その分「走る・曲がる・止まる」をしっかりリフレッシュする整備をしてもらって、間を繋いだり練習するのもいいと思います。その間に必要な物をあつめて、本命を手に入れるのも、ロングスパンで見た息の長いバイクライフとしてとてもおもしろいでしょう。経験が増えるのはとても良いことです。
まぁ下取り価格は期待できないかも。ただ、周りでバイクが欲しがっている人に安価で譲ってあげるなどして、上手く回してあげれば、結構喜ばれたりします。
6.購入時に交換しておいたほうが良い部品
車両の程度によって様々ですので、一般論で申し上げますね。
強く交換をおすすめするもの
- 前後タイヤ
- エンジンオイル(ドライサンプの場合はギアオイルも)
- ブレーキフルード
- エンジンクーラント(水冷バイクの場合)
- スパークプラグ
タイヤと油脂類は、ぜひとも交換してほしいものです。
タイヤに関しては、「山が残っている」という理由で交換しない人も多いです。
ですが乗り始めの場合は、
- 製造から3年以上経過(製造年月の読み方はこちらを参照)
- お店に在庫して1年以上保管されている
このいずれかに該当したら、交換したほうが無難だと思います。
理由は、熱気や冷気、そして紫外線でカチカチに固くなってしまって、グリップ力が著しく低下している場合が多いからです。要はスリップしやすいんです。
ある程度走っていれば、適度にタイヤに負荷がかかって劣化が抑えられている事が多いんですが、乗らずに放置されていると劣化が急速に進みます。
タイヤケチって転んだ人もたくさん知っているので、古いタイヤがつきっぱなしの場合は、思い切って交換して下さい。
油脂類は、新しいに越したことがなく、価格もさほどしないので交換しましょう(バイク屋さんの納車整備プランに入っていることがほとんどです)。
プラグも1本500円位なので、購入して整備してもらいましょう。
交換タイミングだったら交換した方がいい物
- ブレーキパッド、ブレーキシュー
- スロットル・クラッチ・ブレーキなどのワイヤー類
- バッテリー
- フロントフォークのオーバーホール
- チェーン、スプロケット
ブレーキはバイクに乗っていて、生き死にに関わる再重要部位です。
スピードが出ないバイクで死ぬことはないですが、止まらないバイクは死にます。
ですので、ブレーキパッドやシューが減っていることを指摘された場合は、素直に従って交換して下さい。ケチってギリギリまで攻めて使ってもかっこよくもなんとも有ります。
また、スロットルやクラッチのワイヤー類も、動きが渋かったり、ワイヤーのほつれ等が見えて、交換を勧められたら交換しておきましょう。結構よくあるトラブルなんです。ワイヤーが切れちゃうのって。
またバッテリーですが、良心的なバイク屋さんだったら、納車整備プランにバッテリー交換は入っています。保管されているバイクって、ほとんどバッテリーが上がっているんで。納車までに、バッテリー充電器で充電しなおして装着するお店もあるみたいなんですが、できれば新品が無難ですね。
予算に余裕がない場合は再充電でもOKかも知れないですが、再充電バッテリーはどうしてもバッテリーが上がりやすくなっている事が多いです。その点を頭に入れて使って下さい。
フロントフォークからオイルが滲んでいたりすると、オイルシールという油漏れドメ防止ゴムが劣化している可能性が高いです。にじみからオイル漏れに発展すると、ブレーキが効きにくくなったり、段差を乗り上げた時にガタガタしたり、最悪オイルがタイヤに付着してスリップしたりするんです。交換しておいたほうがベターです。交換時にオイルも新しくなって、走りもシャキッとします。
チェーンもサビがひどかったり、注油不足で動きが悪かったりすると、交換が必要になってきます。パワーロスとか騒音に繋がるんですね。交換の際は、前後スプロケットも同時に交換しておきましょう。チェーンとスプロケット、両方の劣化を抑えることが出来ます。
ここまでやっておけば、かなり快適に走れるようになっていると思います。後は定期的にオイル交換するくらいで、時々出てきたトラブルに対応するだけでOKでしょう。
他にもやっておいたほうが良い項目として、クラッチのフリクションプレート交換とか、ハブダンパーの交換などが有ります。ただ、あまりたくさん勧めるのも物理的・金銭的に難しいと思うので、おいおいやっていっても良い項目かなぁとも思います
(やっておいたほうが、確実に乗りやすく楽しくなりますが)。
まとめ
以上、かなり長くなりましたが「バイクビギナーに贈る 初心者向けバイクの選び方」です。
どういうバイクがイイよ、というよりも、その前の「考え方の土台部分」となるところを中心に書きました。
自分としてはこれらの考え方が、車種選びよりも大事だと思うからです。だから、一回まとめて書いておきたかったんですね。
もしコレ以外の車種選びやおすすめマシンについてだったり、もっと深いバイク屋さんの選び方とか、そういうのを知りたいという方がいらっしゃったら、コメントなどをいただければ幸いです。
一つ一つ、状況に買った形でていねいに回答していくことを約束します。
この記事を読んだ方が、楽しいバイクライフを送られたら何よりも嬉しいです。
以上です。
バイクビギナーに贈る 初心者向けバイクの選び方(1/2)はこちらから
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