この記事では、自分の愛車・Z400LTDを題材にオイル交換について記載します。
オイル交換は、バイクメンテの基本中の基本です。
今回はカワサキの旧車を題材としていますが、どのバイクも基本的なやる手順などは同じです。
この記事を読んでおけば、
- オイル交換の概要をつかむことが出来ます。
- 実際に自分が行う際の予習になります。
それでは進めていきます。
交換頻度について
最初に交換頻度の説明をします。
自分はバイクに乗る機会が減ってきたので、交換は長くても2000kmくらいと考えています。現行のバイクでも、3000kmに1回は交換したほうがベターだと思います。
旧車でチョイノリの場合は、理想的には1000km前後で交換したほうが良いね、とも言われています。いかんで言うと、少なくとも半年に1回は交換したほうがいいでしょう。
1.暖機運転をする
まずエンジンを掛けて、10~15分くらいその辺をウロウロしてきます。
これはエンジンオイルを温めるためです。暖機運転が完了すると、オイルが熱で柔らかくなり、排出するときに素直に出てきやすくなります。面倒かもしれませんが、作業前にちょっと走ってきましょう。
2.廃油ポイと作業用のビニールを敷く
旧いエンジンオイルを受けとめる、廃油ポイをエンジン下部に設置します。
廃油ポイはホームセンターで200~300円程度で販売されています。ネットショップでも販売されていますので、ホームセンターに行く時間がない人は活用して下さい。
オイル交換の際は、オイルをこぼして地面を汚してしまうおそれがあります。
エンジンの下には飛散防止用として、大きな段ボールだったり、新聞紙だったりを敷いて下さい。また今回は、大きめの梱包用のプチプチを入手したのでそれを敷きました。
地面に染み込むオイルはとても掃除が厄介で、ダンボールなどで防衛できるととても掃除が楽。
またオイル交換時は膝を立てた状態での作業が多いので、敷物が1枚あるだけでとても膝に優しい作業環境になります。できるだけ自衛しましょう。
3.手袋をはめる
オイル交換は100%手が汚れますので、できる限り手袋をはめましょう。
私が準備したのは、台所用のビニール手袋です。軍手のようにオイルが染みこむこともなく、またフィットするので作業性も高く、とても快適です。
注意点としては、エンジンやマフラーの高熱部分をもろに触ると溶けます(体験済み)。注意してください。
4.ドレンボルトを外す
エンジンの下部に、ドレンボルトというボルトが有ります。
コレを緩めると、「オイルパン」というエンジンのオイル受けにたまったオイルが出てきます。
ラチェットハンドルに、ソケットをセットして、ボルトに引っ掛けます。
カワサキのバイクだったら、大体17番です。他の車バイクでも、16,17,19のいずれかだと思います。
やけどしないように注意しながら、
左手をボルトの根元付近に添え、右手をハンドルのグリップを握り、緩め方向に力を入れます。
ちなみにゆるめ方向は、上の写真では左です。右に回すと締め側なので注意。
ドレンボルトの過剰締め付けは本当に注意
ドレンボルトが刺さっているオイルパンは、殆どがアルミ製です。強い力に対しては弱いです。容易に破損させてしまいます。
締め付け過ぎると、エンジン本体のネジ山を破損して、最悪エンジンの分解修理が必要が出てきます。
特に注意すべきなのは締める方向。緩めるつもりが締めていて・・・・ という話はとても良く聞きます。
ですので、慎重に作業をお願いします。
5.オイルを抜く
ドレンボルトを緩め、手で外すと真っ黒なオイルが出てきました。
ドレンを外す際には、熱いオイルがどうしても手にについてしまうので、やけどに要注意です。
コレがドレンボルト。
私が使っているのは、レース用のワイヤリングが出来る穴付で、先端に磁石が付いているものです。
スラッジ(エンジン内部から出て来る金属等の粉、またはそれが練り物状になったもの)は殆どついていませんでした。
ドレンボルトとワッシャー。ワッシャーは銅ワッシャーです。綺麗に痕がついていますね。
ちなみにワッシャー(ドレンパッキン)は消耗品ですので、毎回交換して下さい。
mazonで格安で売ってます。自分で交換する人は、サイズに注意して購入しておくといいでしょう。ちなみに日産用と書いてありますが、M12のドレンボルト使っているバイクや車だったらどれにでも使えます。
時々バイクを左右に揺すったりしながら10分位待っていると、オイルが抜け切りますので、それまで待ちましょう。
便利なセンタースタンドについて
LTDはセンタースタンドが付いているので、バイクを水平状態で立たせることが出来、オイル交換が非常にやりやすいです。あとチェーン交換も。
最近のバイクの多くはサイドスタンドしかついていないと思います。その場合は、サイドスタンドで立てた状態でオイルをある程度抜き、その後跨ってバイクを水平にし、オイルを抜いてあげて下さい。
センタースタンドは、あまり使わないとか軽量化のためと言った理由で、外してしまう人も多い部品です。ですが、なんだかんだで有ったらとても便利なのです。
6.ドレンボルトを締める
オイルが抜けたら、ドレンパッキンを新品にして、ドレンボルトを締めます。
手締でドレンボルトを締め込んで、止まったらラチェットハンドルを使います。
左手はラチェットハンドルの頭に添えて、右手にハンドルを持ちます。そこから反時計回りに締める。画像で言うと右回りですね。手締めから、大体1/8~1/6回転も締めればいいでしょう。締めすぎには注意して下さい。
締めすぎて壊すより、多少緩くてにじむの方が100倍ましです。
廃油ぽいを捨てよう
使い終わった廃油ぽいを捨てます。ビニール袋を付属のタイラップで縛って、
オイルを外に漏らさないようにします。
最後にフタをして、ゴミ袋に入れて捨てます。地方自治体が規定した処分方法に沿って廃棄してください。
ちなみに、宇都宮市は燃えるゴミとして回収してくれます。超ありがたいです。
7.オイルを入れる
ここからオイルを入れます。
準備したのはAMALIEのインペリアル10W-40。大好きな鉱物油です。
(2018年6月追記:最近はペングレード1という鉱物油を愛用しています)
Z400LTDは2.8Lオイルが入るので、946mlのオイルを3本買いました。
オイル量の確認方法
ちなみに、LTDはエンジンの下の横に、オイル窓がついています。
オイルパンとよばれるオイルが溜まる場所に入っているオイル量をここから見ることが出来ます。
オイルレベルゲージを差し込んで、オイルがどのくらい入っているかを見るタイプのバイクが最近多いですが、LTDは窓で見るタイプです。
ここのLラインとHラインの間にオイルレベルが入っていればOK。当然抜いたばかりなので空っぽです。ここから入れていきます。
オイル投入口
入れるのはエンジン右側のオイル投入口。
ちなみにこのキャップはアルミの鋳造物で、「USE SAE 10W-40」という文字が入っています。わざわざお金かかる細工をして、魂込めてがかかっている感じが感じられ、お気に入りの部品の一つです。
今回はじめて、裏面に「JAPAN 2-4」という刻印があるのに気づきました。コレもイイネ。
オイル投入
いよいよオイルを入れます。まずはオイル2本。2リットル弱。一気に全部入れることはしません。
先ほど出てきた真っ黒なオイルとは違い、緑がかった黄色。いい色です。
入れるときはこぼれやすいので、使い捨てられる「ぞうきん」や「ペーパーウエス」なんかを当てておくと安心です。
このくらいまで入りました。ここで一手間掛けます。
エンジンを掛ける
ここでエンジンをかけます。
大体1~2分くらいでOKです。特にエンジンの回転数を上げ続ける必要もなし。時々スロットルをちょっとだけ回したりして、近所迷惑にならない程度にアイドリングしましょう。
すると、オイルレベルが下がります。あと、オイルがにごります。
まずオイルレベルが下がるのは、オイルがエンジンの内部に行き渡るからです。
エンジンオイルは大部分がオイルパンに溜まっているんですが、複雑な構造をしているので、エンジンがかかると色んな所に圧送されます。しばらくエンジンが回ると、オイルパンから圧送されてオイルが行き渡るんです。だからオイルレベルが下がります。
オイルが濁るのは、ドレンボルトからではオイルがなかなか全部抜け切らないからです。バイクの構造にもよりますが、エンジンの中のオイルを全部抜くのは、かなり難しい。
多少濁っても性能には問題がないので、無視してOKです。
再投入
減った分を継ぎ足します。
ここで大事なのは、決して入れ過ぎないこと。
HラインとLラインの間に入っていればOKです。多ければいいってもんでもありません。多すぎるよりも、少ないほうがベター。
再投入したらこんな感じ。もう少し少なくてもOKだと思います。
余ったAMALIEのオイル。今回は、2本半入れました。時々液面を見て、減ったら継ぎ足す感じで対応します(古いバイクはよく減るんです)。
以上で作業終了です。周りの迷惑にならないように、綺麗に片付けをしましょう。
まとめ
オイル交換はとても楽しいメンテナンスです。車体の調子に直接影響する項目で、適度に準備するものも多いので、やりきった後の達成感も有ります。
それから、エンジンや車体に直接触れるので、バイクの様子がわかります。細部の汚れとか、傷とか、曲がりとか、眺めていると色んな事が見えてくるんです。
この記事を見て、バイク屋さん任せだったけど、オイル交換やってみたいなぁとか、自分にも出来そうだなぁと思っていただけたら幸いです。
また、今回は嫁が撮影してくれたのでめちゃくちゃ作業がスムーズでした。ありがとうございました。
短時間で終わるので、またお願いしたいですね(笑)
以上です。
●2018/06/10 追記:
最近自分がハマっているのが、こちらのPENN GRADE1(ペングレード1)というオイルです。
旧車や空冷エンジンの車両に優しいエンジンオイルで、アマリーより安価。走行フィーリングもとても良いです。
いつも楽しくみてます(^^)文章も内容も紳士的で素敵な方なんだなぁ(^-^)と日々思っています☆
本題ですが僕の愛車は現在スクーターですが処分がめんどくさいオイル交換とタイヤ交換以外のカスタムとメンテナンスは全て自分でやっています☆
オイルを多くいれてしまう危険について教えて頂けるとありがたいです(^^)
連休中で忙しいと思うので時間出来た時にでもよろしくお願いしますm(_ _)m
僕もブログ初めてみたので貼らせて頂きます。
>翔太さん
コメントありがとうございます。
早速記事の反応が来て嬉しかったです(笑)
オイルを入れ過ぎると、ブローバイガスとよばれる「エンジンで燃え残ったガス」にオイルが混ざってしまうんです。燃え残りガスは、一般的には吸気側に戻して再度燃やしてしまうんですが、入れすぎたオイルが混ざってしまうと、オイルも吸気側に侵入してしまいます。
となるとエアクリーナーがベトベトに汚れるわ、吸気系のパイプがオイルまみれになるわ、白煙が出続けたりと大変なんです。あと撹拌抵抗も上がるので、若干エンジンの回りが悪く感じたり、パワーロスにも繋がります。
そしてオイルって継ぎ足しは簡単なのですが、減らすのは結構しんどいんです。基本的には下から抜くしかありません。
というわけで、オイルは入れ過ぎない事が重要です。
まぁこの話は極端に入れすぎなければ問題ないレベルです。規定値+500ccとか。アッパーレベルをちょっと超えたくらいなら、気にする必要はないです。
以上が理由になります。
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また、BLOGも拝見しました。
シグナスとても綺麗に乗られていますね。
黒がとても引き締まった印象で素敵です。
かなり工作機械に恵まれたスペースをお持ちのようで、それも羨ましいなぁと思いました。
これからもよろしくお願いいたします。
分かりやすい説明ありがとうございますm(_ _)m
親父の会社の道具とスペースを借りてバイクイジリしてます(^^)
今後は嫁の体調が安定して子どもが小学生になる頃、、、3年後ぐらいになりますが僕なりに自分でメンテナンス&部品供給がありそうなXJR400を買う予定なので今後も楽しく為になり分かりやすく学べるブログ楽しみにしています(^-^)
では失礼しますm(_ _)m
>翔太さん
喜んでいただいてよかったです。
>親父の会社の道具とスペースを借りてバイクイジリしてます(^^)
いやぁ最高の環境ですね。
道具もそろえるとなると、そこそこ金と場所がかかるので、うらやましいです。
XJR400はいいバイクですよね~。
あのタンクとサイドカバーに至る、エッジーなスタイリング。もっと評価されていいと思います。
部品も出るでしょうし、人気車種なので情報もたくさん手にいられるでしょう。ゼファーがびっくりするくらい値上がりしているのですが、割と価格が安定しているのもいいですね。
今後も閲覧・コメントいただければ嬉しいです。ありがとうございました。
>w124e320 さん
はじめまして。MINORUです。
コメントありがとうございます。
懐かしんでもらえて嬉しいです。
自分の1979~80年式なので、35年位前の車両です。
ウインカーとハンドルを変えてます。あとグラブバーも外してます。
あと点火系とかですね。
バイクは楽しいです。
大事に乗りたいと思います。
ぜひリターンして下さい♪
はじめまして。
アマリー等の1QTタイプは、ボトルの出っ張り側(覗き窓側)を下、つまり口が上の状態で注ぐと溢れにくく、量の調整も容易になります。
上記、ご存知でしたらすみません。
今後も拝読させていただきます。
>オイルボーイさん
はじめましてMINORUです。
コメントありがとうございます。
>>口が上の状態で注ぐと溢れにくく、量の調整も容易になります。
全く知りませんでした(汗
なるほど、自分がやっていたのと上下逆にするといいんですね。
今回も少しこぼしてしまったんです。
教えていただいて本当にありがとうございました。
そのうち継ぎ足しをすると思いますので、その際はオイリーボーイさんに教えていただいたやり方でやってみます。
ありがとうございました!
今後もお付き合いくださいましたら幸いです。