先日のツェンダップの記事の最後に、
「書類が無い車両の登録方法を別の記事で書く」
と書いていました。
今回はその方法、いわゆる「書類を起こす方法」について書いておきたいと思います。
注意:
この記事は、盗難車などの不正に入手した車両を登録するなど、犯罪を助長するために書いたものではありません。
あくまでも、書類の紛失や海外からの購入なので、書類が無い車両の救済措置の存在をシェアするためであります。
(だいぜんていて盗難車両は登録前に検査が入りますし、すり抜けて登録してした場合は、発覚後厳罰に処されます)
その方法

方法としては、書類を起こす業者を通すという方法です。
事前に盗難車両でない事の確認、または各自での調査をした後、見積もりに進んで発行となるようです。
車格によって金額が変わるようですが、5万円~30万円程度で、車検を取得するのに必要な書類を作ってくれるそうです。

ここからは、旧車をたくさん保有され、現在ツェンダップの車検取得を進められている、斉藤さんから聞いた情報を基に記載します。
- そもそも20年くらい前までは、このような業者はほぼ存在しない、または業界内でのシークレット情報だった。
- そのため書類がなくなった車両や、第二次大戦以前の運輸省が存在しなかった時代のバイクに関しては、登録がほぼ不可能だった。
- 無理やりお願いするとなると、各地の陸運局の局長・長官に頭を下げるしか方法は無し。
- 基本的には例外処理をしたくない、ともすれば不祥事となりかねないリスクがある判断は、どの陸運局でも取り合ってもらえない。
そういう時代が長く続いたそうでした。
そういった折、
- 「ちゃんと昔から所有していて、何十年も倉庫に眠っていただけなのに、紙切れ一枚無いだけで登録できないというのはおかしい!」と声を上げた業者さんが現れる。
- 弁護士を立てて複数件の裁判を起こす。
- 結果ことごとく勝訴。
- 「不正に入手した可能性があるというのであれば、そちらで立証してください。私のものであるという証拠はこれだけ有ります」というスタンスだったとか。
その結果、今では登録に至るノウハウがかなり確立されているようです。
何よりも「登録できる」という判例ができたことが、とてつもなく大きな事実だと感じます。
まとめ
手数料がそれなりにかかりますが、飾るだけだった旧いバイクが、大手を振って公道を走れるようになるのは、それこそプライスレスな価値だと思います。
この記事を読んで、書類や登録関係でバイクを動かしたくても動かせなかった方が、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
おまけ

http://www.ysphiro.com/yamaha50/68-70.html
年式によって、車検に必要な装備が変わってきます。調べると結構面白かったので、大まかなものをピックアップしたいと思います。
順番的には新しいもの順です。

http://www.bikebros.co.jp/vb/sports/simpre/simpre-20090312/
2018年からABS義務化
⇒それ以前に製造された車両は、ABSが無くてもOK

http://www.uematsu.co.jp/info/index55.html
1998年4月に、エンジン始動時のヘッドライトの常時点灯義務化
⇒それ以前の車両は、走行中でのヘッドライトのON/OFFが可能。
1969年(昭和44年)に、大きな法律の改定が入りました。
ウインカーの色が橙色(オレンジ色)に指定
⇒それ以前の車両は、赤や白のウインカーでもOK。スズキのGT750などは赤ウインカーあり。ただし、違反行為と誤認されて、取締りを受ける可能性大
ウインカーの装着が義務化。
⇒それ以前の車両は、(あくまでも法解釈上の問題ではあるが)ウインカーなしでもOK
1960年代前半から、メーカーで自主的にウインカーの装着が始まる。昭和26年施行の道交法には、「灯火またはその他の手法で方向指示する事」とあり、ウインカーレス車両でも、「手信号での方向指示」が必須です。

http://www.bikebros.co.jp/vb/sports/smeisya/smeisya-06/
1960年代中盤以降のバイクは、法律の改定に先回りして純正でのウインカー装着がされている場合が多いです。
それらの車両からウインカーを取り外した場合は、通過させるのは難しいかと思います。
ブレーキランプの前後ブレーキでの連動点灯が義務化
⇒それ以前の車両は、フロントブレーキでブレーキランプが点灯しなくてもOK
参考:CB250/350エクスポートは、マイナーチェンジで前後連動点灯が図られています
(http://www.honda.co.jp/news/1970/2700203.html)

https://jp.pinterest.com/pin/509188301597787277/
また1910~20年代などに製造された車両で、「純正でバッテリー未装着」の車両、すなわちフライホイールマグネトーで点火して走る車両については、灯火器全般が不要です。
ヘッドライト・ブレーキランプ・ウインカーなどの全てが無くても、車検に通ります。レーサーなどの競技用車両といった区分けが存在しなかった時代の特例ですね。
以上です。
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