バイクに乗るときに絶対装備しなければいけないのがヘルメット。
基本的に最新のモデルになればなるほど、安全性と快適性が高まっていきます。
ですがみんながレーサーを目指しているわけではありません。
私が乗っているZ400LTDみたいな旧車、レトロなバイクだと、頭だけが最新な感じがして、どうにもアンバランスに感じることが多いです。
ストリートに映える、カフェレーサーやボバー、スクランブラーに乗っている方に似合うヘルメットがほしい。
ですので今回は、旧車に似合うバイク用ヘルメットについてまとめます。
もちろんSR400やエストレヤ、250TRやST250など、現行に近いながらもクラシカルなマシンに乗られている方にも参考になるかと思います。
大きく分けて2種類のヘルメット
フルフェイスヘルメットとジェットヘルメットの2種類があります。
どちらも一長一短あるので、どちらがベターかはここでは論じません。自分は両方持っていて、時と場合に応じて使い分けています。
※ちなみにおわん型のハーフメットは、125cc以上では着用できない決まりがあるので、まとめから除外します。
私が思う、旧車に似合うデザインで、なおかつ安全性が最低限担保されているヘルメットを紹介していきます。
族ヘルタイプのフルフェイスヘルメット
僕が愛用しているこのタイプのヘルメットです。
立花のGT750という以前販売されていたモデル。
これをカワサキの「デイトナレーサー」をイメージした、リペイントをしてもらっています。僕の宝物です。
2018/11/17追記:立花さんに関する追加情報です
山城ヘルメット レトロフルフェイス
立花さんに変わって販売されている、レトロなフルフェイスヘルメットシリーズがこちら。
立花のモデルにかなりそっくりな商品が販売されています。
チークパットなども普通に入っていて、ある程度のサイズ変更などもできそうです。
こんな変わり種の攻めたデザインもラインナップされていました。
CBXカラーにヤマハのストロボカラー風のデザインですね。
このメーカーの他にも、ネオライダースさんとか、HANDLE KINGさんとか、この数年で多数の族ヘル風のヘルメットが多数出てきました。
新興系の色んなメーカーが手を出しているようです。
スタイリッシュにかぶれば、とてもかっこいいヘルメット。旧車ファンにとってはありがたい状況です。
BELL STAR2
アメリカで復刻されたBELL STARⅡを、ブレーキホースなどで有名な日本のACTIVEさんが代理店として輸入し、正規販売している品になります。
もちろんSG規格適合品です。
BELL STAR独特の、正面から見て四角く見える形状が、見事に再現されています。
価格は32000円と、この手のヘルメットにしては格安。
ビンテージヘルメットをリペアして購入するよりも、法規適合もしているこちらの品を買ったほうが無難な気がします。
量販店で試しにかぶりましたが、もうめちゃくちゃ小さいです。
絶対に試着をおすすめします。
悪いこと言わないので試着してください。
購入したい方は、メーカーや販売店さんに問い合わせをしてみるのが無難だと思います(代理店一覧はこちらのアクティブHPから)。
BELL Bullitt
BELLが海外で展開しているフルフェイスヘルメット。日本ではAmazonや楽天市場にて並行輸入品として買えます。
視界が広く、ジェットヘルメットからフルフェイスを使ってみたいなぁというユーザーさんにもすんなり移行できると思います。
インプレ読みますと、気密性が悪いとか、隙間風入ってきてうるさいとか、そういうコメントも散見されました。
まぁこの辺は前述の立花や山城ヘルメットの類と同じなので、ジェットヘルメットよりいくらかマシというレベルで考えたほうがイイでしょう。
アメリカ人サイズなのか、こめかみの辺が狭いようです。実際に使っているユーザーさんからのご指摘で、ワンサイズ上を購入することをおすすめします。
残念な点は、恐ろしく高いんですよね・・・これ。
TT&CO. トゥーカッター
上記のBELLの国内版に相当する品物。
映画『MAD MAX』でも使用された、1970年代の BELL MOTOSTAR をイメージした、ヴィンテージモトクロスヘルメットとの融合。
東京江戸川にある、TT&COさんが制作されているヘルメットです。日本人の頭の形状を検討して、3D設計にて試行錯誤を繰り返された、乗車用規格内では最小クラスのスモールフルフェイスだそうです。
帽体はSG規格とDOT規格に適合しております。
このような70年台テイスト満点なデザインがあったり、専用設計されたゴーグルが合ったりと、多彩なラインナップをされているのが魅力です。
DAMMTRAX AKIRA
ストリート・カジュアルなバイカーズアイテムを得意とする、DAMMTRAX(ダムトラックス)。
最近は箱根ターンパイクの大観山に、ダムトラックスカフェなどを開設していらっしゃるようです。そちらが2003年頃に発売され、ロングセラーとなっているのがこのヘルメット。
大友克洋のAKIRA(アキラ)をイメージして作られたという、
細くて長いフルフェイスヘルメットです。
これも一時期自分がほしいと思っていました。
実際にお店でかぶらせてもらったことが有ります。
サイズ感が非常に難しいので、購入の際はお店でカブることをおすすめします。
このメットはフリーサイズ一択で、サイズが合わないと結構グラグラするんですよね。。
中のスポンジを追加することで、ある程度は調整できる仕組みになっています。
あと塗装はかなり綺麗にされていますが、作り自体が結構チープです。アライやショウエイのクオリティを想定していると、ひっくり返ってしまうかも。
ただ、その分価格も安め。
ただ被りこなしたら、ファッション性が非常に高いアイテムだけに、満足感はかなり高くなると思います。ステッカーチューンなどのベースにもおすすめですね。
DAMMTRAX ザ・ブラスター – THE BLASTER
同じくダムトラックスのヘルメット。
見る人が見たら一発で分る、BELL MOTO3をモデルにしたヘルメットです。
潔いくらいにがっつりモデリングされた品です。
旧いダートトラックレーサーや、250TRやグラストラッカーなどの土の匂いが感じられる車両などにおすすめです。ゴーグルと似合うスタイルというのもよいいですね。
例によってフリーサイズ一択なので、購入の際は試着をおすすめします。
フルフェイスはこんなところでしょうか。
アライ・ショウエイなどの大手メーカーは、このクラシカルデザインのジャンルは手がけていないようです。開発費に見合った需要がないと判断しているのでしょうか。
あとは考えられることは、車内の基準に適合しない可能性。
上記に紹介したようなヘルメットは「デザイン性が優先された作り」のため、直接頭に触れる内装や、保護剤の発泡スチロールが薄く作られています。かっこ良くかぶれるデザインを維持しつつ、規格に通るぎりぎりラインを攻めている感じです。その作り方やレベルだと、大手メーカーの社内基準では通過しないのかもしれません。
2018年6月6日
なんてこと言っていたら、SHOEIさんから大本命のEX-ZEROが欧州で発売決定です。
日本でも2018年11月発売しました!
ジェットヘルメット
ジェットヘルメットとなると、旧車でかぶっていてもさほど違和感を感じにくい、デザイン性にあふれたものが多数ラインナップされてます。
その中でも、個人的に魅力を感じた商品を幾つか紹介します。
BELL 500-TX(復刻版)
1960年代に発売されて、現在のヘルメットの基礎を作ったと言われているBELL 500-TX。
その歴史、そして現在と違う安全基準で作られたがゆえの非常に小ぶりでスタイリッシュなデザインから、今なおコレクターズアイテムとして珍重されているヘルメットです(観賞用ですが、10万OVERで取引されることはザラ)。
それをアクティブさんが復刻されて、日本のSG規格に適合させたのがこのヘルメットです(詳細記事)。
近所のバイク用品店に置いてあったので手にとってみました。まぁ小さいです。本当に小ぶり。
ラインナップも他のヘルメットとは一線を画していていて、
- XXS 54-55cm
- XS 56-57cm
- S 57-58cm
- M 59-60cm
現状Mが最大サイズ。こんなラインナップ見たことがありません。
被っても見たのですが、タチバナのSHMから更に深く被れて、「これ本当に基準適合しているのか?」と不安になるくらい。
ただギュッと凝縮されたようなシルエット、そして前頭葉の部分が柔らかくふくらんだ独特のデザインは、他のヘルメットにはない美点だと思います。他のヘルメットを物色した後、再度500-TXが視界に入ると、「あぁこのヘルメット綺麗な形しているなぁ」という気持ちが湧き上がってくるんです。
価格は22000円程度。(代理店一覧はこちらのアクティブHPから)
とにかく頭を小さくスタイリッシュに見せたい!と言う人には、おすすめ出来るヘルメットです。実際自分が見ている中で、ハーレーに乗っている方がこのヘルメットを購入されていきました。
ただこちらも恐ろしく小さく、入らない人もいると思うレベルでした。試着必須です。
これもコレクターズアイテムと化す可能性があるので、大事に長く使う方は、選択肢の一つに入れてもイイかもしれませんね。
アライ クラシックMOD、ショウエイ フリーダム
アライとショウエイがラインナップしている、ストリート系のラインです。
他の安価なヘルメットを手にした後、これらのヘルメットに触れると、縫製の仕上がりや、細かいところの隙間などが非常に高いクオリティで作られていることがわかります。
そして被り心地がいいんですね。日本のメーカーで長年日本人の頭のデータをとって来ただけ有ってか、サイズさえ合わせればしっくり来るものが見つかるはずです。ただ、メーカー内の安全基準が高い水準に有るためか、どうしても頭が大きく見えます。この辺はトレードオフ。
高い安全基準物を使うか、SG規格の範囲内でスタイル性を追求したものを使うか。好みや考え方で別れるところですね。自分は割と後者に近い考え方だったのですが、最近はSHOEIの被り心地に惹かれる面も出てきています。
何より性能が高くて軽いんです。
↓また先日発売された、ハーフシールド内臓のジェットヘルメット、J・Oシリーズも人気のようです。
メガネを付けたままかぶれるというのが味噌。あと突出して軽いというインプレを多数目にしました。
ゴーグルやサングラス不要で、スタイルも崩さないので良い商品だなぁと思います。
まとめ
以上、長く述べてきましたが、自分が考える古いバイクに似合うヘルメットたちです。
自分が知りうる限り幅広いラインナップを集めてみました。
ヘルメットは2つ3つ持っていたほうが長持ちすると言われ、実際に自分も使い分けるようになってからスポンジの劣化が減った気がします。
サブヘルメットや、次のメインヘルメットを購入される際に、参考になれば幸いです。
以上です。
MINORU氏のヘルメット愛を感じますね。
私もヘルメットが好きです。フルフェイスが理由なく好きです。原付に乗るときも安全性を”言い訳”に必ずフルフェイスを被ります。
てかメルアド見て誰だかわかりました。
貴方アメリカ人ですね。
もうすぐ来日する人ですね。
完全に騙されました。
すみません(くそッw
>獣臭ライダーさん
初めまして。ありがとうございます。
いいですねフルフェイス常用スタイル。
安全性を担保できますし、プライバシー的にもフルフェイスは魅力的です。
ただ夏はどうしても暑く感じてしまうので、ジェットに落ち着いているのが現状です。
最新型のフルフェイスだったらダクトやインテークがあるので改善されていると思うのですが。
それから獣臭ライダーという名前に何かこうシンパシーを感じます。
一時期、自分の周りでそのワードが流行していましたので(笑
MINORUさま
うーん!ヘルメット、難しいとこです。
私は現在アライのSZRam4を愛用しています。
実は、30数年前に悲しい出来事がありました。MINORUさんの過去の記事も拝見しました。
それ以来、ヘルメットはスネル規格をと決め、そして、リターンしてからは胸部等プロテクターはチョイ乗りでもかならず装着と決めています。
今は、更なる安全の為にフルフェイスを購入しよーかと考えておりますが、実際現行の物はLTDには似合わないなぁ…なんて思っております。
族ヘル(^-^)確かに魅力ありますね。
MINORUさんの仰る通り2、3個所有してTPOにあわせてってのがいいのかなぁ。
高速道路を使う時は現行フルフェイス、ショートツーリング等は族ヘルって具合に。
うーん悩ましい(^-^)
>たかさん
こんばんは。
システムジェットを使われているんですね。
自分も安全性とファッション性の合間では常に揺れています。
とくにウェアとかボトムスとか、プロテクターもつけたほうが安全なのがわかるのですが、スタイリッシュに乗ることを優先したいことが今は勝っちゃってるんですよね。
いま技術革新がだいぶ進んでして、薄くてスタイルを崩さない様な、プロテクションウェアもかなり作られているんですよね。D3Oとか。
その辺も今後トライしてみたいと思っています。
安全性はともかく、
内閣府令(道路交通法施行規則第九条の五)乗車用ヘルメットの基準
ここには、国内の規格に関しては、何も書かれていません。
つまり、いや個人的な解釈ですが、販売に関しては縛りがあるが、個人で使用する場合、ヘルメットについては、上記の文面を満たせば、良い。
外国製でも DOT 等の規格が通っていれば、法的に使用可能である。
保険上は判りませんがね。
自分は個人の責任において、
SIMPSON RX-8 を使い続けております(笑)
>MSRさん
コメントありがとうございます。
おそらくですね、ご指摘の内閣府令について、
●3. 著しく聴力を損ねない構造であること。
●4. 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
上記の項目を「満足していることを示す」のが、SG規格でありPSCマークであるという解釈になるのかと思います。
なので、それらのシールが貼っていないと、第九条の五を満足している「証明がない」という言い方をされる可能性がありますね。
海外製品もDOTやSUNELL通っていれば、安全性は大丈夫ですよ!といっても、
「文句があるなら、日本の規格に合うかの適合証明をとって下さい」
「規格に記載された、精度保証された設備・装置を使って試験し、結果は正規書式の書類にまとめ、公的認証機関のハンコがないと、証明書としての効力はありません」
みたいな役所的な対応されるんじゃないかなぁと。。。
なんか仕事柄そういうのがすけて見えるんです。
あと、SNELLやDOTを取っていても、「日本の規格が設けている変に厳しい項目は、クリアできないヘルメットも有る」といううわさ話も聞いたことが有ります。
なんか、規格のコンセプトが耐衝撃重視か耐貫通性重視かで国によって違っているらしいんです。どちらを重視するかによって、設計思想がそもそも違って両立が難しく、もう片方の高性能化は捨ててるとか…。
まぁDOTやSNELLが、間違ったことをしているとは全く思いません。
個々人が自分の趣味で、責任をもって使用される分には、問題ないかと思います。
自由ですから。安全に気をつけて自由に走りましょう。