チョット期間があいてしまいましたが、クラッチ交換作業の続きです。
前回のエントリーはバラシの段階でしたが、今回は組み上げです。
●クラッチチェーン&ハウジング取り外し
「一次側がチェーンとかすげー親近感湧くわw 」
とビューエル乗りが言っていたんですが、このチェーンというかハウジングのせいで ものすごくガスケットが剥がしにくいので、思い切って取り外します。
といってもそんなお大仕事ではなく、クランクシャフトとミッション側に至るシャフトに“Cクリップ”で固定されて居るだけなので、コレを外すだけでOK。
ハウジング側はコマみたいな部品(クラッチロッド?)を取り外すと見えます。 Cクリッププライヤーで、フッ飛ばさないように慎重に外します。 この辺の部品構造って年式によってころころ変わってるみたいなので、 今回の記事を参考にされる場合は注意してください。なんかベルトドライブ仕様だと、 変な位置にボールベアリングが付いていたり…。
●ガスケットはがし
スクレイパーを使ってガスケットを剥がします。
オイルストーンもスクレイパーも借り物。ちなみにさっき使ったCクリッププライヤーも借り物。友達にバイクバカが多いと、とても楽しい整備ライフが待っています。
ゴシゴシ。ゴシゴシ。 トーシロがやると十中八九手を切るらしいので、作業用手袋をしましょう。
今回の作業でも、大ベテランの友人K氏も切りました。
ガスケットを綺麗に剥がします。その後オイルストーンで表面を丁寧にナラシます。
細かい作業なので、これが一番時間がかかります。全作業時間の半分位を使うはずです。 自分の場合は、たい焼きを食べながらのんびりしていた時間が一番長かったです。
クラッチカバーもこのとおり。 綺麗に面が出ました。
●スプリングの組み付け
クラッチハウジング&チェーンを取り付けた後、クラッチ部品を取付けていきます。
ハウジングを取り付ける際は、ハウジングの裏側にオイルポンプを回すギアがあるので、エンジン側のギアに噛みあわせます。これが不完全だと、規定の位置までハウジングが押し込めず、Cクリップが取付けられないので注意しましょう。
このギアです。
左の穴は、この1個前のモデルまで搭載されていた、キック機構の名残。 キック…つけたいなぁ。
プレート関係の組み付け順番は、
フリクション ⇒ メタル ⇒ フリクション ⇒ … ⇒ フリクション の順番で、
フリクション6枚で メタル5枚を組み付けます。 スプリングとボルトを取付けます。装着された板ボルトは黒でしたが、 新品は銀色になっていました。締め付けトルクは「0.9kg・m ≒ 9N・m」です。
●クラッチカバーの組み付け
クラッチカバーには、クランクシャフト用のリップシールがあるので、劣化してたら交換しておきましょう。
組み付け時に気を付けないと、クランクシャフトを引っ掛けて、シールがひっくり返ってしまうことがあります(今回自分やっちゃいました)。 リップシールは噛んでひっくり返ったら一発KOです。
交換のやり方は、旧いリップシールをニッパーで切り刻んで外し、 カバーに張り付いたゴムをカッターや目の細かい紙やすりなどでこそぎ落とします。その後適当な”円筒状の塊”等を当てにして、ちょっとずつハンマーで叩いて圧入します。
今回自分はストレートの丸皿を使いました。専用治具かと思うほどやりやすかったです。
ようやくカバーを取り付けます。
今回、+ネジをステンレス製の六角穴付きボルトに全部交換しました。
“M6 30mm”が11本、”M6 40mm”1本を使います。
どちらもホームセンターで1本あたり30円しない程度で販売しているので変えてしまったほうがいいと思います。 錆びないし、六角穴付きボルトのほうがトルク管理が絶対的に容易です。
締付トルクは “1.0kg・m ≒ 10N・m”です。 ちなみに使ったトルクレンチは下記トーニチ製モーターサイクル用トルクレンチ。 10~70N・mまで1N・m刻みでトルク管理できる逸品です。 コレも自主参加の友達から借りた物。こんなのがホイホイ出てきます。
トーニチ
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●ガバナ・ポイントの取付
オイルを入れたら、いよいよ最後のガバナ・ポイントの取付です。
正直ここが一番ビビっていたんですが、それまで普通に走っていたマシンであれば、 ポン付けで十分対応できることがわかりました。 外すときに印をつけて、組み直すときも全く同じになるように取り付けたら、あっさりエンジンが掛かりました。
もりたくんからW氏経由で借りたタイミングライト、点火タイミングチェックしてみても、とりあえず問題なしでした。とりあえずコレで様子を見たいと思います。 締め付けトルクは、2.5kg・m ≒ 25N・mです。 破断するかと思うくらい締めます。 ポイントに付いては、自分も勉強不足な点が多いので また記事を書こうと思います。
完成しました!
この後、試運転を兼ねてショートツーリングに行ったんですが、1速でギクシャクしていた感じが無くなった上、5速6速でもこれまで以上の加速が体感できました。 ク
ラッチって出だしや急加速時に滑りを感じることが多いんですが、一定速度で走行している際も、微妙に滑っていたようです。考えて見ればそりゃそうだ。 実質的にパワーが上がりワインディングや加速感が楽しくなったのですが、フロントフォークのぐにゃぐにゃ感が強調される結果になりました。
O/Hしたのが、丁度チョッパーにしてた頃だから…。もう12000km位走ったのね。そりゃぐにゃぐにゃになるわ。 次の重整備はフロントフォークのO/Hになると思います。 多分コレはお店に頼みます。
というわけで、手伝ってくれたみんなありがとう! おしまい
熱いな~
持つべきはマニアックな友(笑)
STTにしろ、滅多に使わない工具も無いとできんしな。
この間車のサスをOHに出すために純正に変えたんだけど、壁君に純正サスとスプリングコンプレッサー借りたさw
STTはうちの関連会社だったわ(汗)
SSTの間違いデシタ。
⇒dome
オイルストーンとかCクリッププライヤーを貸してくれた友人曰く、
「特殊工具や専用治具を作らないのならで、
もう仕事は半分終わったようなもんだ」
と言っていました。
実際GB250クラブマンのクラッチ交換の時は、
特殊工具を図面引いて自分で作ってたしね。
作業の難易度が上がれば上がるほどやる気が出る変態です。
ほんとうに助かっております。
しかし車の重整備はヤル気にならんなぁ。。
車に潜るって凄いと思うわ。個人的に。
変態な人ほどいい仕事をするんだよね。
あれこれ想像が膨らむもんだからさ。
車するならとりあえず2柱リフト欲しいな。
仰向けで100Nmとかキビシイし(笑)
⇒dome
変態な分カネがかかるんだけどねw
ウチのメインの客先なんか特にそうでございます。
仰向けで100Nmは背中のスケボーが回ってしまうんじゃないか?