先に速報記事を上げていましたが、今日は本レポートです。
もう15年くらい続けている、日の出ツーリングと題した1月4日の早朝行軍。市貝町の芝ざくら公園に集合して日の出を拝み、その後安住神社に向かって交通安全を祈願する。今年も実施しました。
3年ぶりくらいにバイクで参加しましたが、正気の沙汰とは思えないくらい寒かったです。
というわけで、さっそくレポートを書いていきたいと思います。
益子町から5時半に出発
朝4時前に起床。
まだ日の出の気配すら見えない空には雲一つなく、天頂には北斗七星がきらめき、ガンガンに放射冷却していました。
長男の朝の食パンがなかったのでコンビニに行ったときの、インサイトの温度計。
-5℃でした。前日の天気予報でも言われていたので、まあ予想通りといえば予想通り。
この後家に戻って、防寒着を着込みに着込んで出発。
もちろん電熱ベストと電熱グローブはMUST装備。足元には靴用ホッカイロを入れました。
極寒始動時にはキャブを温めよう
そうそう、今回も布団乾燥機でキャブを温めてあげたら、-5℃の環境でも気持ちいいくらいの一発始動でした。セルワンプッシュで瞬時にアイドルしました。(もちろんバッテリーは夜通しで充電しています)
あとこの後BMW R69で参加してくれたGakさんも、下記の参考記事をもとにBINGキャブのフロートにホッカイロを貼ってして始動を試みたそうです。フロート室が人肌くらいに温まったところでキックしたら、これまたすんなり始動したとの事。
やっぱり冬場のエンジン始動って、「ガソリンが低温で上手く気化していない」というのが要素として大きそうですね。
↓参考
出発
完全フル装備で出発です。
とにかくタイヤが全く温まっていないので、少しでもタイヤを変形させて、温めようと心掛けました。安全な範囲でしっかり加速し、前後共にしっかりブレーキング、という作業を繰り返します。
走り出してすぐに、完全装備が効いたためかあまり寒くないかな?と感じました。寒さは思ったほどではない。
むしろ厄介なのは「フルフェイスヘルメットのシールドが凍って前が見えない」という事でした。
シールドが意味をなさない
公園到着後のメットの画像ですが、内からは吐息で凍るし、外側からもバキバキ凍っていきます。
曇り止め施工は一応しているんですよ。定番の眼鏡の曇り防止ジェルを塗って。
↑こういうのね。
だけど全然効果がありませんでした。くその役にも立ちませんでした。
マジなんだよ、というかこんな寒い中走るほうが間違っているのかもしれません。
しかし、これだったら夏用のジェットヘルメットのほうが良かったかもしれない。。
仕方なくシールドを少しだけ開けて前を見て走るんですが、これが本当に寒い。
コーナーのところだけシールドをあけて前方確認し、ある程度長い直線になったらシールドを下げる。
凍っていても輪郭が全く分からない、というレベルではないので走れるは走れます(ただ危険)。
そのあと吐息で曇りがひどくなったらまたシールドをあける。
この繰り返しです。これをやることで、体がどんどん冷えていきました。
市貝町に入ると空気が変わった
益子を出て市貝町に入ると、ぐっと冷え込みが激しくなった気がしました。
山の方だから寒いのかな?気のせいだろう。
と思っていたら、JAだか郵便局だかで現在の温度を示してくれる看板があるじゃないですか
↑こういうやつ。というかまさにこれと同じやつ。
それにー8℃って書いてあったんです。上記の広い画像は8℃ですが、これと全く同じデジタルのフォントで、-8℃って書いてありました。
- 信じられないよ。これ、もっと標高高くなったら瞬間的に-10℃とか行くじゃん。
- 寒すぎるんだけど、電熱装備効いているのこれ?
- そういえば昨日の天気予報で仙台市の最低気温が0℃って書いてあったけど、あの北国より8℃も低いってどういうことだよ。
- こんな寒い中バイク乗っている人間いるのかよ? 正月にスパイクタイヤはいて宗谷岬に行ってる連中位じゃないの?(参考)
- そういや昨年末にSpotifyからレコメンドのプッシュが来て、
「今年もたくさん聴いてくれてありがとう。あなたはSpotifyで音楽を聴いている上位40%のユーザーに入ります」
なんて言われていたんだけど、-8℃でバイク乗っている連中なんて上位3%くらいじゃないの?100人に3人もいないか?
なんてことを考えながら走り続けました。この間もずーっとシールドは曇ります。
途中工事中の看板が見えたとおもったら、道路がいきなりグラベルになってフロントタイヤを取られかけたりして、命を大事に走ろうと思い直したりと、本当に必死に走り続けました。
芝ざくら公園に到着
6時20分ごろに公園に到着。
そこには誰もいませんでした。主催者一番乗りです。体というか、顔がとにかく寒い。痛い。
バイクを止めて分かったのですが、電熱装備とホッカイロは機能していました。指先と背中、足の裏がジンワリと温かく感じます。
走行風が冷たすぎて効果が無いように感じていたのですが、しっかり熱を放っていてくれました。ありがとう。
これらがなかったら本当にどうなっていたか。
日の出の時刻が6時53分で、木々の関係で多少遅れてだいたい7時ごろにご来光を迎えます。
それまで自販機のコーヒーを片手に待つことにしましょう。
後公園のトイレがリニューアルされてきれいになっていました。
24時間使えて自動で電気がつく新設設計。トイレの中ほうが暖かく、またお手洗いの水が暖かく感じました。どれだけ身体が冷えているんだ。。
続々とバイクが到着
会社の先輩TさんのNinja1000(GPz仕様)。
OGKのピンロックだと前が見えない。怖すぎる。
とがちがちに震えながらお話してくれました。
交換されたばかりというタイヤは、走ってきたばかりというのに樹脂のように固くなっていました。恐ろしいです。
まあ自分のも触ってみたら似たようなもんだったんですが。
そのあと、遠くからツインエンジンの音が響き渡り、Wかな?と思っていたらGakさんのBMW R50でした。
群馬からわざわざありがとうございます。
ずっと車で行くかバイクで行くか悩んでいたけれど、高速に入ったとき寒すぎて後悔した。
と乾いた笑いとともに語ってくれました。
ちなみにSHOEIのピンロックはかなり機能していたようです。ほとんど曇らなかったとのこと。
自分も次はSHOEIにしようか…。
そして栃木市のMさんがドゥカティ ST4でいらっしゃいました。遠くからありがとうございます。
フェアリング付きで一番快適そう。
いつも自分のイベントにしていただいている、FさんのW2TTも到着。
極寒の中エンジンをかけてきていただけました。
茨城の方からも初参加のOさん。BLOGで参加表明していただきまして来ていただきました。本当にありがとうございます。
Z900RSです。ぴっかぴかの最新バイクです。
モリワキのモナカマフラーが入っていました。フルエキです。音は極めてジェントルでした。
細かなパーツ・パーツが変更されていて、手がかかっているなぁという印象を受けました。
あと、専用パーツがたくさんあるのはうらやましいです。
唐突に、何かとんでもない車がやってきました。トヨタのフラッグシップカー・センチュリーです。バキバキに凍っています。
ツイッターでフォローさせていただいているウナギイヌさんが、先日真岡のコーヒー屋さんで初めてお会いして、今回来ていただきました。ありがとうございます。
これは車屋さんから借りた、代車の代車。
車を修理に出しているお店から代車のBMWを借りていたところ、それも調子が悪くなってしまい、出てきた代車がこれだったそうです。
とんでもなくでかいです。フロントもリアも長い。駐車場からはみ出ています。
あと純正って意外と車高が高いんだなと思いました。自分が今まで見たセンチュリーの多くは、ローダウンしてあったんだという事に気づきました。
フェニックスではなく、鳳凰の意匠が施されたアルミホイール。純正でこんな意匠が許される国産車は、この車だけでしょう。
たたずまいだけでなく、細かな意匠にも上質感が見て取れます。汚れやすい足回りにこんな豪奢な装飾をしているなんて…。
あ、テールのマフラーがおかしいです。太いものが4本出ています。
後は待つだけ
とまあこんな感じで日の出前、およそ6時45分くらいにメンバーがそろいまして、あとは日の出を待つだけとなりました。
若干空も白んでいますが、なかなか日が昇らず、暖かくなる気配はみじんもありません。
放射冷却でそこらじゅうのものがすべて凍っていきます。
エンジンをかけて、バッテリーから伸びた端子を電熱ベストに接続して暖を取るTさん。
バッテリーレスのタイプなので、歩き回っているときは電熱ベストの効果が無いようです。。
みなさんでバイク談義をしながらも、ホットコーヒーも冷えてしまい、指先が冷たくなって手をこすり合わせていたその時でした。
ご来光
東の空から、太陽が昇りました。
あたりを温かく照らし始めます。
完全に日が昇りました。
毎年のことながら素晴らしい日の出でした。きれいです。そして暖かい。
ここからはどんどん気温が上がっていきます。
あと、Google Pixel 6にも感謝です。もう1年以上前のスマホになりましたが、カメラの情緒的に描写する能力は目を見張るものがあります。こんなド逆光なのに、光をばっちりと捉えてくれます。
芝さくら公園を出発し、安住神社へ
芝ざくら公園での目的は果たしたので、バイク神社で有名な安住神社に向かいます。
安全祈願と、焚火で暖を取るためです。
安住神社までは、およそ15分程度。
バイク6台での行軍。殿(しんがり)をセンチュリーに勤めてもらうという例を見ない豪華さ。
実際走っているときに、皇族の方が後ろにいて、その前を先導しているような背徳感がありました(笑)
安住神社に到着
無事到着しました。
駐車場には、SOSIさんが待っていてくださいました。
日の出に参加しようと頑張っていただいていたのですが、エンジンのかかりが悪く、安住神社での合流に切り替えられたそうです。
相変わらず、目を見張る美しさでピカピカの状態を維持された素晴らしい車両です。
境内に入ります。
3が日も終わっての4日目。
スポーツ少年団か、地域の野球クラブチームのような一団が訪れて、祈願をされていました。
我々は、まずは火で温まらせていただきます。
本当に暖かいです。毎年この火に助けられています。
立ち上る煙が日光に照らされているのですが、奥に見える照明塔の柱が影になって、その部分だけ光がさえぎられて筋になっています。炎の上から筋が立ち上る光景は、幻想的な趣を見せていました。
その後お参りをさせていただきまして、ひとしきり暖を取った後、朝食を採りに移動です。
ここで何人かとお別れです。
食事
高根沢町のガストに移動しました。
9時開店と同時に入店です。
途中に「御料牧場」という皇室の方が静養されたり、皇室の方が食べられる食物を栽培・飼育されている宮内庁の施設があります。
その近辺をセンチュリーが走ると、ほかの車が300mくらい離れていく感じがした、とおっしゃっていました。まあやんごとなき方々が乗っている可能性が頭をよぎりますよね。。
モーニングセットを頂きました。大の大人5人が食べて、2800円でした。安い。
かなりゆっくりさせていただきまして、1時間半近くバイク談義をしました。
乗っているマシンや、新型バイクの噂、車の話に広がったりと、同好の士があつまると話も盛り上がります。とても楽しい時間でした。
ごちそうさまでした。新年早々、朝早くから開けていただきましてありがとうございました。
ここで皆さんとお別れです。
無事に日の出ツーリングを終えることができました。
まとめ
今年も無事故・無災害で、日の出ツーリングを終えることができました。
普通にバイクに乗っていたら感じられないレベルの寒さに積極的に飛び込むことで、滝行の様な自分を祓い清めるような感覚になったり、その後に昇る朝日の暖かさとありがたさを感じられるイベントだと、改めて感じました。
不思議と二度とやりたくない、という感覚にはならず、すでに来年もやろうという気持ちになっています。
今回いろんな人から声をかけていただき、
「参加したいけれど仕事の都合で無理です」
「帰省しているんですよね・・・」
「ちょっと遠くて・・・」
「起きられませんでした」
という声を頂いたので、参加希望者は結構多いのかもなと思っていたりします。
自分の体とバイクが動く限り、毎年続けていきたいと思っています。
というわけで、皆様本当にご参加ありがとうございました!
今年も安全運転で、皆様バイクを楽しみましょう!!
以上です。
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