インサイト・エクスクルーシブを買いました。評価・加速感・燃費のインプレ

先日まで乗っていたスバルのR1ですが、エアコンが故障してしまった事で、「クルマの使い方を考える切っ掛け」が出来ました。なので思い切って乗り換えることにしました。

 

そして乗り換えたのがこちら、ホンダのインサイト・エクスクルーシブです。

簡単な車の紹介と、インプレッションをしていきます。

 

スバルR1を降りて、乗り換えます。その理由と下取り金額

↑↑↑ 以前乗っていたR1の、お別れ記事はこちら ↑↑↑

 

 

買い替えたインサイトと、買い替え条件

私が今回購入したホンダ・インサイトです。2012年式です。

2011年末に登場した後期型の、エクスクルーシブというグレードになります。

 

 

エクスクルーシブという名前を聞いて、このブログを読んでいる人なら CB750Fにアメリカンなプルバックハンドルと段付きシートを搭載した「CB750エクスクルーシブ」というバイクを思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

ホンダは車とバイクで名称を借りたり貸したりしているので、この名称もまさにその一つになります。

 

 

買い替えた理由

かみさんが通勤で1日25kmくらい乗るランドクルーザー・プラドが、夏場のエアコン使用環境下だと5.5km/Lという素晴らしい燃費を出してくれました。

プラドは売りたくないとの事だったので、壊れがちなR1を売りに出して、新しい車への買い替えを検討しました。

 

そこで話し合って出た条件が、

  • 比較的安くて
  • 低燃費で
  • ある程度上質で
  • それなりにコンパクトなクルマ

というものでした。

外車を含めて色々検討した結果、何個か候補に上がったものの、今一つこれという決定打が有りませんでした。

 

アルファ・ロメオとかも出たんですが、故障などを考えるとやはり二の足を踏みます。

ラシーンに乗っていた最後期の慢性不調な感じや、R1のような細かい故障続きはしばらくゴメンです。今はそんなリペアを楽しむ精神的余裕がありません。

 

追記:2022年8月27日

Mito買っちゃいました。インサイトは売っていません。二台体制です。

アルファロメオ Mitoに乗り換えました。初期インプレします。

 

 

 

そこでひらめいたのがこのインサイト・エクスクルーシブ。

隣町の比較的大きなディーラーにワンオーナーの在庫車両が有り、試しにかみさんに提案してみたら思いの外高評価。
すぐにディーラーに声をかけて予約して、現物確認して購入しました。

以前は近県までクルマ・バイクを購入しに行ったことが有りましたが、よほどのこだわりがない限りは近いほうが楽ですね。

 

 

インサイトのかんたんな背景

インサイトはもともとホンダのエコカー、というかハイブリッドカー拡大の最先鋒として、2009年に登場したクルマです。

燃費と走りの楽しさを両立、という旗印を掲げて、燃費と効率優先の1.3Lのエンジンを搭載していました。なのでモーター含めた絶対的なパワーは、ライバルのプリウスと比較して物足りないものになります(トヨタの比較広告が書いていたように)。

特に高速域でのパワー不足が顕著になり、その点はユーザーや評論家などからも指摘を受けていたポイントだったようです。

それを解消するために、後期型へマイナーチェンジする際、通常のインサイトインサイト・エクスクルーシブという2つのラインを設定しました。

通常のインサイトは、それまでの燃費スペシャルな思想を継続し1.3Lエンジンを設定。エクスクルーシブは、同時期にホンダが開発していたハイブリッドスポーツカー 「CR-Z」 に搭載された1.5L のエンジンを載せています。まさかのエンジン2種類。

排気量が大きくなった分、加速に力強さを感じます。特に高速合流や車線変更などのときはその恩恵を強く感じることが出来ました。

 

 

ホンダ インサイト エクスクルーシブ 試乗レポート/清水草一

https://autoc-one.jp/honda/insight/report-940285/0002.html

加えて無印インサイトでは、廉価と軽量さを追求するという設計思想のあまり、内装の質感はかなりプアなものになっていました。軽自動車的なぱっきぱきのプラスチックです。

そこでエクスクルーシブではその名前を体現すべく、メッキやヘアライン加工された樹脂、木目調パネルなどを追加して見た目の質感を向上させました。

そして更に、

  • 本革巻きのステアリング
  • クルーズコントロール
  • パドルシフト
  • 各種ステアリングスイッチ
  • オートライト
  • 親水ミラー

などが装備され、操作性や快適性も向上しました。

 

自分の購入した車両にはファブリックとレザーのコンビシートが付いています。個人的には蒸れないコンビシート・ハーフレザーシートが大好きです。
真白か真黒の本皮シートオプションで選択することもできたようです。

外装は下品になりすぎない程度のエアロと、メッキ加飾されたグリル、専用のウインカーユニットとフォグランプが装着され、専用デザインされた16インチのアルミホイールが付きます。このホイールはシンプルながら個人的にかなり好みなデザインです。

 

 

プリウスとの仁義なき抗争(別記事で詳解します)

この車の背景を語るには、3代目のプリウスとの戦いを描かずにいられません。

で、かなり書き進めたものの、この記事だけで3000文字近くになってしまったので、別記事として公開します。

こちらも読んでいただけると嬉しいです。トヨタの当時のなりふり構わなさがよくわかります。

2代目インサイト発売時の、トヨタの猛反撃(3代目プリウス登場時のプロモーション)について

 

結果的に、

  • 軽量
  • シンプル
  • 高性能

という「これまでの自動車づくりの延長線」を突き詰めようとしたホンダのスタイルが負けてしまい、

 

  • 重く
  • 複雑で
  • 高効率

 

なトヨタ式のハイブリッドシステムが、時代の最適解となった形ですね。

ホンダもIMAからの流れであるモーターアシスト式を途中で捨て、i-MMD ⇒ e:HEVというトヨタに似たシステムを採用し、複雑化の流れへ追従していく形となりました。

 

 

エクスクルーシブのインプレッション

さて、だいぶ前置きが長かったですが、インプレッションに入っていきたいと思います。

 

個人的にはこの外観は、とても女性的なものに感じています。

登場から10年ほど経過していますが、際立った古臭さをあまり感じません。各種に適度なエッジをもたせたデザインが、適度に彫刻的というか。

 

またフロントバンパーに集約された、ウインカー・スモールランプ・フォグランプのユニットもいいデザインだなと思っています。

限定色のブロンズパールメタリックの不思議な色合い相まって、ジュエルライクというか、ある種女性的な上品さを感じさせるクルマです。30代中盤以降の自分たちにとっては、ドンピシャな設定なのかもしれません。

 

・・・ただかみさんからは、

「全然似合ってないね」「プラドのほうがまだ似合ってる」

と言われました。残念。

まぁかみさんがメインで使う車なんでね。。

 

次からは、良かった点と微妙な点に纏めて記載してみます。

 

良かった点

まずは良かった点です。

 

普通に速い

この車の一番の特徴かもしれません。

踏み込んだら普通に速度が出ます。80km/hくらいまでは、スルーっと加速していきます。

モーターのアシストによってトルクが増幅されているんですが、極めて自然なトルク感です。

盛り上がり方が自然で、「あー、今このくらいアシストされたな」という感じが全くわかりません。NAの2Lくらいのクルマに感じます。

 

表現として適切かわかりませんが、「電動ターボ」のような感覚です。パワーをアドオンされた、スポーティーセダンの香りがします。

 

カミさんも「この車、踏まないと面白くない」と言っています。

実際E-CONを切ってスロットルレスポンスを向上させ、提示状態からぐっと踏んだ時の「滑るような加速感」は、ハイブリッドカーということを忘れさせる気持ちよさがあります。

 

 

 

 

夏場のエアコン対応はE-CONを切ろう

またエコ運転補助装置である「ECONモード」を切るとエアコン動作中は比較的アイドリングストップしなくなります。コンプレッサーを回すためにエンジンを止めないでくれるんですね。

常時アイドリングストップの設定で、OFF機能がないと聞いていて非常に困っていました。炎天下でアイドリングストップ連発して温風が吹き出る、ということも殆ど無くなりました(十分冷えていたらアイドリングストップします)。制御が優秀です。

 

 

回生ブレーキが自然

減速時の運動エネルギーを電気に変換して回収する回生ブレーキ。電車で使われる装置と考え方は同じです。

これの制御が難しく、いわゆる「カックンブレーキ」になるハイブリッドカーが多かったんです。

社用車のホンダ・グレイス(インサイトの後継)という車があるんですが、強すぎる回生ブレーキに閉口していました。足の指を少し曲げるような踏力でもガツン!と効き、コントロール性もへったくれもありません。同乗のカミさんを車酔いに陥れます。

 

インサイトはどうか… と思っていたら、踏み込んだ分だけ制動力が増加し、通常のブレーキと同じような感覚で使えます。これは本当に安心しました。

IMAモーターの出力が弱く、またバッテリー容量も小さいため、さほど回生の効率を欲張ることも出来なかったんだと思います。

なので結果的に、ドライバビリティを悪化させる方向にならなかったのでしょう。

 

もしくは、「誰もがハイブリッドカーに乗る」という当初のインサイトの目的を達成するために、あえてそういう味付けにしているのかもしれません。

 

 

内装は良いほうだと思う

もともとの造形とプラスチックの材質がチープなものだったので仕方がないんですが、上級グレードを設定するにあたって色味や加飾をかなり頑張っています。

トノカバーとかもついて、出来はまぁまぁいいです。

 

革巻きのステアリングとシフトレバーは、触っていて温かみを感じて良いです。

上質かと言われると微妙だけど、少なくとも安っぽさはあまり感じません。この価格帯の車にしては良い出来じゃないかと思います。

これは前のオーナーさんが、非常に丁寧に使用されていたということもかなり大きいと思います。

道具だからと、悪い意味で粗雑に扱われた痕跡が見られません。有り難いことです。

 

 

 

微妙な点

ここまでが良かった点。続いて微妙な点です。

燃費は あまり伸びない 伸ばすのにコツが必要

最初はあまり燃費が伸びない、という風に書居ていました。

街乗りメインだと、だいたいメーター読みで、17km/L位だと思います。航続距離は40Lガソリンを入れて、650kmくらいでしょうか。

 

e燃費のヒストグラムでも同じような数値が出ています。

 

ただ先日新4号線を40km程度往復したら、24km/Lまで燃費が伸びました。

JC08モードが23.2L/kmなので、達成率100%です。

ただこのときは流れが良かったことと、クルーズコントロールを併用しながら極力スロットルワークを一定にしながら走る、という結構気を使った運転をしています。

 

燃費を伸ばすのが難しい理由

https://www.honda.co.jp/auto-archive/insight/2014/webcatalog/driving/ima/

ハイブリッドカーで燃費を向上させるためには、「エンジンを起動させない」というのが基本的かつ最大のアプローチになります。

最もトルク・ガソリンが必要とされる、

  • 上図の①の発進時にモーターのみで走る
  • また低速巡航のモード④でも、同様にモーターのみで走る

これをやる事で、エンジンを始動させずに燃費を稼ぎます。

(プリウスやアクアが市街地の渋滞でとろとろ走っていたほうが燃費が驚異的に良くなるというのは、こういう原理です)

 

ですがインサイト、特にエクスクルーシブではそもそもモーターのみの走行モードが存在しないため、常にエンジンが掛かっています。

つまるところはエンジンの燃焼効率頼みです。

おそらくですが、モーターの出力が1.3L用に最適化された設計であるため、1.5Lのエクスクルーシブだとパワー不足でギクシャク感がでる、動的感性が悪化する、とかとか、そういう理由ではないかと推測します。

 

となると、エンジンの効率を最大限に発揮するための運転をすることが必須で、

  • 回転数を上げない
  • じんわりと加速する
  • 巡航時はスロットル回度を一定に保つ

これを徹底することが必要です。

それをクルーズコントロールを上手に使うことで、かなり補佐してくれます。道路状況に応じて最適なスロットル回度に自動設定してくれるので、結果的に燃費が良くなっていきます。

 

この辺の原理がわかっていなかったり、ストップ・アンド・ゴーが繰り返し必要になるモードだと、燃費を伸ばすのはかなり難しい車だと思います。

都市部などで渋滞が頻発するような環境で使う場合は、アクアなどのほうが適しているかもしれません。

幸い自分は郊外に住んでいるので、この車でも走らせ方次第では有るものの、ある程度燃費を伸ばせそうです。

 

 

シートが個人的に合わない

どうもシート自体が薄い用で、スポーティーでは有るもののホールド感が薄いです。

最初適当に座ったらかなり腰が痛くなり、シートの調整をかなり細かくやる必要がありました。高さと背もたれ角度、前後スライド量を結構ピンポイントで設定する必要があります。

スバル・R1のほうが、個人的にはマッチしていた気がします。

この辺は継続検討が必要です。

 

2021年12月9日:追記

座るポジションが分かって、だいぶ楽になりました。

今ではだいぶフィットしてきます。

 

 

高速での安定性が今ひとつ

マイナーチェンジでかなり改善されたと聞いているものの、100km/h以上でどうもひょこひょこする感じがします。

80km/h当たりでは、地面に張り付く感じがして気持ちいいんです。

 

それが、100㎞/hに近づいた辺りからハンドルが浮き上がったような、落ち着きのなさをすごく感じます。

これがかなり気持ち悪くてですね…。雑な操作を許容してくれないような、不必要な緊張を強いるようなドライビングフィールになってしまうんです。

 

あとロードノイズも結構すごく、高速道路で速度を上げる気がしません。

 

これはタイヤのせいもあるかもしれません。

4年落ちのブリジストン ECOPIAというタイヤです。転がり抵抗が低くて燃費も貢献しているんですが、特に高速領域でうるさいです。

来年くらいに様子を見てもう少しいいタイヤに交換したい。

ルマンVあたりを履いてみようかな、なんて思っています。

 

 

ナビが古い

別にGoogle Mapしか使わないのでどうでもいいんですが、自分が買った車はインターナビセレクトという最上級グレードだったみたいで、ホンダ純正のナビが取り外し不可能です。

コイツがまぁ古くて、地図としては使えません。

通信機能が有るのですが、画像のように10年前の懐かしのワードがたくさん出てきました。

 

リアカメラとしては普通に使えるので、このまま活用したいと思います。

 

↓外付けデバイスを駆使して、Bluetooth接続を試みました。

FMトランスミッターのノイズが酷いので、外付けのBluetooth接続方法を考えた

 

まとめ

長々と書きましたが、運転が楽しい車であることは間違いないです。

悪い点もけっこう厳し目に付けた感じで、現代的なソツがない車であることは間違いないです。

 

大人も4人十分に乗れて、比較的燃費がよく、小回りも効いて、何よりあまり走っていなくて格安。

用途に合えば、とてもいい車だと思います。

 

できるだけ長く愛用して行きたいと思います。

 

以上です。

 

 

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