ツェンダップKS500にナンバーが付きました

上記の画像は、2016年11月に撮影

以前記事にした、パイオニアランジャパン主宰の斎藤さんのツェンダップ KS500。

ドイツ製の戦前車両です。戦前の日本を走り、前オーナーさんから40年以上前に斎藤さんの手に渡った歴史のある一台です。

詳細なドラマと情熱的なスペクタクルは、こちらの記事に書きました

 

この車両についにナンバーが付きました。

 

今回自分が斎藤さんのご自宅に荷物を取りに行く機会がありまして、見せていただくことが出来ました。

 

 

現物車両を見てきました。

素晴らしい。

現行車のナンバープレートです。しかも新パターンの大型車検シール。国内新規登録扱いなので、3年車検です。

 

 

元々は先日のパイオニアランジャパン2017の目玉車両として、会場に展示される予定でした。

しかしナンバーの交付が間に合わず、PRJ当日はナンバー交付業者の下。残念ながら持ってこれなかったという経緯があります。

次回のPRJでは、元気に会場を走ってくれるはずです。

 

 

細かなところがモディファイされていていました。

 

元々テールランプが装備されなくてもOKな自体のバイクなので、純正はテールランプは無し。でも流石に現代の交通事情では危険ですので、テールランプを後付。ドラムのリアハブ部分に、スイッチが付いていました。

 

このキックペダルの根本シャフト。ステンレスの削りだし品にコンバートされていました。ヘアラインが美しいです。

 

ハンドチェンジ機構のアームとかジョイント部分もステンレスに。

 

そしてガーターフォークのスプリングもステンレス。

強度もそうですが、鉄製だとサビ・腐食の発生確率が格段に上がります。掃除をすればだいぶ回避できるのですが、スプリングなんかは非常に奥まった部分があるので完璧な清掃は困難です。

 

そしてシートは当時物(90年以上前!)のダンロップ製の当時物を、ベースだけ木で再制作して、上にウレタンを張替え。

 

当時物を活かしつつ、できるだけ乗り味を改善させる工夫が随所に見られました。長年旧車と人生をともにされてきた、斎藤さんならではの知恵が詰まったモディファイだと思いました。

 

 

 

走行インプレッション

斎藤さんから初走行・2回目走行時の感想をメールで頂いたので、インプレッションとして記載させていただきます。

(一部私の方で改行・追記をしました)

相当貴重なオーナーコメントだと思います。

 

●初走行のレポート 1/2

今日初めて公道に出ましたが、これがなかなかクセが強くて、今までのバイクの様には行きませんのです。

先ずはクラッチの重さで、しかもバーエンドタイプのレバーですから扱いにくいのです。手のでかいドイツ人ならちょうどいいのでしょうが。ワイヤーの取り回しを変えてやりましたら幾分軽くなりました。
ブレーキの右かかと踏みというのも、これまたやりにくいです。つま先でブレーキは踏むというのに慣れてますからこれも自然に足が動くには時間がかかると思います。
右手のハンドシフトも慣れないとやりずらいですね。補助でフートのシフトアームもありますが、1速の時だけ一度踏込み、あとはハンドシフトで4速まで前に送り出します。陸王のRQの3速は実に乗りやすかったです。(高校にはライラックと陸王のRQで通学していましたから。)

それとクッションの悪いのにはちょっと耐えられませんね。もっとエアーの調整である程度やるしかないでしょうね。細かい処をすり合わせていくにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

初走行のレポート 2/2

ツンダップはシャフトドライブ特有のクラッチの繋がりの速さと、横揺れリアクションには船酔いしそうですよ。
ただ4速に入れると高いギア比で、スムースなクルージングが約束されたように静粛になります。世界で最初のアウトバーンを走るためのエンジンミッションのようです。

ヒットラーの息のかかったドイツテクノロジーは、かくも硬質なものを作り上げたような気がします。現代人を寄せ付けないほど(シフトアップの度ゴツンゴツンと反応)硬度のシフトアップは乗っていて疲れます。信号の多い現代の交通事情には、全くもって不向きこのうえない乗り物です。

よい処といっても アイドリングの横揺れを眺めているときぐらいでしょうか。こちらの身体が馴染むまで、少しずつ乗っていくしかないでしょうね。今日はモトグッチも乗り出してみましたが、これはこれでなかなかのんびりと走れます。日本人に合った作りで、低重心でまとまり良く偉大な実用車なんでしょうね。

梅雨の晴れ間、やっと時間がとれたので初乗りでした。

 

2回目走行時のレポート

さて今日は、6.5kmほど乗ってきました。クラッチワイヤーの取り回しを変えるとかなりクラッチが軽くなりました。

それに慣れてくると分ってきたことは、シフトアップはハンドチェンジで減速と、ニュートラルから1速へはフートを踏み込み。つまりシフトダウンは、すべてフートレバーの踏込だけでスムースに乗りこなす事が出来るのだという事が分ってきました。
トップのままで、4080kmくらいはあっという間に到達します

彼の有名なヨーロッパのツンダップだけのエレファントミーティング、山ほどの荷物を積んだサイドカーツンダップがアルプス越えをして集まるという光景が目に浮かびます。それほどトルクフルなんですね。
しかも今は600ccのOHV。ソロで走るとさらに軽快に乗り回せると思いました(MINORU注記:斎藤さんのKS500は600ccのエンジンにコンバートされています)。

それにはブレーキの制動力がものすごく良く利くのです。片ハブなのによく利きます。それでスピードを上げても安心感があります。
例のかかと踏みブレーキですが 結局は慣れることでしょうね。先ずは慣れろ・案ずるよりは産むが易しでしょうか。

 

とても面白いレポートです。

感じたこと、心動かされたことがそのままストレートに書かれているの絵、まるで自分がツェンダップをまたがって走っている気になりそうな、躍動感・高揚感があふれる文章です。

 

 

 

 

まとめ

斎藤さんもとても忙しい方なのですが、もしタイミングが合えば、一緒に走りたいなぁなんて思っています。

ツェンダップとZ400LTDの並走なんて、世界中探してもそうそう無いでしょうしw

 

また一つ、個人的にやってみたい夢が増えました。

 

以上です

 

このバイクの70年に渡るドラマと情熱的なスペクタクルは、こちらの記事で

 

 

 

 

 

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