エンスーの城に潜入(クラシックバイクとの遭遇)

先日パイオニアランジャパンでお世話になった斎藤さんの、ガレージに遊びに行きました。

リアルなエンスージアストの城に、初めて足を踏み入れました。

 

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予想していた以上にとんでもないガレージでした。

その一部をこちらに記載したいと思います。

 

 

車両一覧

ライラック

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まず出迎えてくれたのはライラックでした。

丸正自動車の、縦置きVツインエンジン&シャフトドライブを装備した車両。僕の大好きなマシンの一つです。

60年前の車両とは思えないほどのコンディションの良さ、そして造形の美しさと「先進性」惚れ惚れしました。

 

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1950年台の後半に作られたと思うのですが、ディープフェンダー、フルカバードのサスペンション、アールが付いて絞られたタンクなど、洒落た造形美が光ります。

 

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こぶりなテールランプ。

 

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マフラーのオリジナルはメッキ仕様だったそうですが、購入した時点で耐熱ブラックに塗装されていたそうです。これはおいおい再メッキの予定だとか。凹みなどはないのですんなり行きそうですね。

セルモーター始動でエンジンを掛けてもらいましたが、とても静か良い音をしていました。

 

 

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ヘッドカバーのフィンが美しいです。

 

DSC_7259 プラグホールをシリンダーのバンク内に装備。

おそらく、整備性よりも外観を気にしてのことでしょう。

キャブはミクニ製でした。

 

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メーターのフォントもおしゃれです。

トップブリッジやハンドルポストの作りなども、1950年台の生まれとは思えないほどスマートです。

 

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この車両は、先日ヤフーオークションで出品されていたので、衝動買いしてしまったとの事。

若い時に乗っていたので、懐かしさでいっぱいになってしまったそうです。

とても状態がよかったので、近いうちに乗れるだろうなと思いました。ぜひ見てみたいです。

 

 

メグロなど

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「栃」ナンバーのカワサキメグロ。純正のテールランプ。

 

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オリジナルの一体型メーター

 

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修理中のメグロ。

 

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修理中のフェンダー

 

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奥にはハンドシフトタイプのメグロが保管されていました。

 

ガレージの奥

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奥の方は2階建て構造になっていて、海外車両の巣窟になっていました。

 

BMWとダグラス

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BMWと、右の水平対向のマシンは、戦後に作られたのダグラスだそうです。

 

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ダグラスといえば、前後にシリンダーが配置された水平対向エンジンが有名ですが、このマシンはBMWタイプのいわゆるフラットツイン。

ですが、クランクケースの上にジェネレーターやコイルが配置されているので、より航空機のエンジンっぽさが感じます。

 

 

モトグッチ

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戦前のモトグッチ。現在バラバラですが、現在部品をかき集めて修理しているところだそうです。

 

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先日のパイオニアランジャパンで展示されていた、斎藤さんの愛車のモトグッチ。

これの数年前に開発されていたモデルとの事。おそらく1920年位のマシンです。

 

この車両のエピソードがすごくて、

戦後に群馬のお金持ちが、船でヨーロッパに旅行に行った際、おみやげとして持ってきた車両。

動かなくなって蔵に放置されて、斎藤さんが引き取った、とのこと。

その後斎藤さんが、過去のモデルを調べてみたら、完璧に一致する写真がない。

フレーム・フェンダー・エンジンなどの各部に「M27」という刻印があることから、おそらく試作車両ではないかとのこと。

そんなものが日本に入ってきていたとは。。。

 

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あとこの車両はサスペンションを装備しているらしいのですが、その構造がとんでもなくてですね。

エンジンの前方にハンガーフレームがあり、その下に金属製の箱があります。この中にはなんとコイルスプリング入っているそうです。

スイングアームがピポッドを中心に前後にスイングすると、エンジンの下に這わせてあるプッシュロッドを押し、そのプッシュロッドが件のコイルスプリングを押してショックを吸収する、という機構です。

とんでもねぇ。なんという大掛かりさ。

 

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最近のマシンで、サスペンションを真横に近い形でセットアップする車両が出てきましたが、1920年台のマシンでショックを前後方向に吸収する機構が検討されていたんですね。

勉強になりました。

 

 

英車たち

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再生を待つ、英国車両たち。

 

リベリア

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奥にあるのが、「リベリア」というフランスのメーカーの車両。おそらく1950年代位。

「バイク名鑑」という分厚い誌に、メーカーの名前だけが出てきて、写真がなかった車両だそうです。

 

これも数奇な歴史を経てきた車両。

戦後に長野にいたフランス人の牧師さんが、日本に持ってきた車両。

乗っていたら壊れてしまったので、車両はおいて本人は帰ってしまった。

 

すごいエピソード。

相当マイナーなメーカーの車両なので、代理店経由で日本に入ってきたのは皆無。日本に現存するのも、これ一台だろうと言われていました。

エンジンはおそらくドイツ製の175ccだろうという事までは辺が付いているようで、現在良い出物を探されているそうでした。

 

 

ツェンダップ

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2013年のパイオニアランジャパンで一度見たことがある、ツェンダップというメーカーのバイクに出会うことができました。

ドイツの1930年台に制作された車両。

BMWにも通じる、水平対向OHVエンジンで、シャフトドライブを装備した車両です。

 

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Wikipediaからの画像を拝借。厳密にはこれとは違う車両なのですが、かなり共通部分が見られます。

 

このバイクは、先日拝見した斎藤さんのコレクションの中で、僕が最も心を動かされたマシンでした。

とにかくカネがかかった作りなんです。

 

 

 

 

と、記事があまりに長くなりすぎて、スマホで表示不可能になるという不具合がわかりましたので、

2つに分けたいと思います。

こちらのリンクをクリックして、ツェンダップの驚異的なこだわりを御覧ください。

 

続きます。

 

 

 

2 件のコメント

  • いやー!憧れの城ですね!
    ライラック、名前は聞いたことありますがじっくり写真をみるのも初めて(もちろん実物に触れたことなし)なんですが、惚れてしまいました(^-^)
    ツェンダップなんて田宮のプラモで身近な存在なんですが実物はおろか写真さえ初めてでした。

    一台一台に色んな物語があるんですね。その物語を引き継いで所有し次世代に残し伝えていく使命も旧車乗りにはあるんですよね。
    実物を見ることのできたMINORUさんが羨ましいです。

    • >たかさん
      素晴らしい場所でした。
      ライラックは昔から好きな車両でした。
      ツェンダップは数年前のパイオニアランで拝見し、迫力に引き込まれた思い出があります。

      どのバイクも工場で作られたんでしょうけど、そこから今のオーナーの手に至るまでは、紆余曲折の数々でしょうからね。そこを自分なりに紡いでいくのも、たしかに旧車乗りの役割なのでしょうね。

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