Z400LTD.net

Z400LTD.net -カワサキの旧車をハブにして、 整備・ツーリング・イベントなど、広がる世界を記すBlog.

会社で見かけたツバメのお話。

   

Bookmark this on Google Bookmarks
Pocket

会社の敷地にあるカーブミラーのひさしは、ツバメのお気に入りの場所だ。

僕が通り掛かる度、いつもちょこんと止まっているツバメの姿を見ることができる。

 

 

5月の末くらいから、会社の建屋にツバメが巣を作っていた。

真四角な、まるで「豆腐」のような3階建てビルの壁。大きな資材を出し入れする大扉があり、その上に50cm程度のひさしが設置されている。ツバメはそのひさしの右端に、巣を作ることにしたようだ。

高さが5m程度。壁はコンクリート打ちっぱなしのつるつるで、雨樋も柱もないから蛇は寄ってこれない。カラスもあまり見かけない場所だ。何よりその大扉は殆ど使われておらず、扉の前も人通りが殆ど無い。だから糞が溜まっていても誰も気にしないのだ。おそらくそこまでツバメが気を配らせていたとは思えないけれど、「いい所に巣作りしたなぁ」と内心感心していた。

 

 それから数週間立った頃から、巣の近くを通るとピーピーという甲高い鳴き声が聞こえるようになった。卵が孵ったようだ。親鳥は交代でせっせと餌を捕まえてきては、お腹をすかせた雛に食べさせていた。

 

ツバメが飛翔する姿は本当にかっこいい。

「ツバメが低く飛ぶと雨」という諺があるが、気圧が低い時は自分の真横、それも膝頭ほどの高さを猛スピードで飛び去っていく。「へ」の字が左右対称になった、鋭い後退翼で、まさにバイクのスワローハンドルそのものだ。あのスピードで虫に狙いを定め、体当りして加えていくのだから、ツバメは世界がどう見えているのか気になって仕方がない。

 

餌を取りに行くときは、件のカーブミラーでもう一羽のツバメが待機していた。あたりを見回して警戒したり、時折2羽で止まって何かを相談しているようにも見えた。

餌を食べさせ終えたツバメが、巣から飛び立った途端とんぼ返りして巣に戻り、また飛び立ってはとんぼ返り、という動きを何度も繰り返す姿も見ることができた。おそらく雛に飛び立ち方を教えているのだろう。そんな時も、もう1羽はカーブミラーでその様子を眺めていた。

 

 

 

そしてある時、気が付くとそれまでの賑やかな喧騒が静かになっており、雛がいなくなっていた。親鳥も見かけない。おそらく無事に巣立ちを迎えたのだと思う。

 そして巣の左手に目を向けると、もう一つ別の巣ができていることに気づいた。

ひさしの左端。およそ3~4m程度離れているだろうか。全く別のツバメが巣を作っていたのだ。場所的には安全だし、近くに草原があるので虫も豊富。一等地と言っても差し支えないから、他のツバメの縄張りさえ侵さなければ、巣が増えるのも不思議ではない。

 

だけど、雛の鳴き声が一向に聞こえないのだ。

 

巣は作ったものの、ツガイになれなかったのか。

カーブミラーのひさしには、まだツバメが止まっている。以前は2羽だったけれど、今は1羽だけだ。時々巣の方を眺め、また目をそらして何かを探しているようにも見えた。何かこう、哀愁というか、物悲しさを感じざるを得なかった。

 ツバメは3~7月くらいまでの比較的長い期間で繁殖をし、1回繁殖が終わっても、2回目の子育てをする個体もあるという。遅い巣立ちで9月ごろに飛び立つ雛もいるようだ。

あまりよい言い回しではないかもしれないけれど、もう「ワンチャン」、あるかもしれない。あってほしい。幸いにして、今年はもう少し気温は上がらなそうだしね。

 

 

願わくば、あのツバメにツガイができて、元気な雛が生まれますように。

 

 

20070605_299087

以上です。

Bookmark this on Google Bookmarks
Pocket

 - おしらせ・雑記