パイオニアラン2014 その2

前回の記事では、F川さんのバジャジに、

というかF川さんにツッコミを入れていたら話が終わってしまいましたので、 今回からがパイオニアランの本編に成ります。

 

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集合場所から30分ほど走り、無事会場に到着しました。

 

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会場ではパイオニアランならではの、 独特なマニアックさが充満しておりました。 相変わらずマシンも参加者も平均年齢が高いです。 こじゃれた感じが一切ないのが逆に素敵。

 

■発動機編

 

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まず向かったのは、シュコン ポトンという音を響かせながら、 色んな人を集めていた発動機愛好会の方々。

 

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嫁やF川さんも見入っていました。

大きな機会が動いている様、 とくに回転軸や弾み車が回っているのを見ると、 有無を言わせぬ迫力を感じます。

 

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「何をしているのこの機械は?」 「ただ回ってるんだよ」 そんなやりとりで談笑しながら見ていました。

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メグロの単気筒エンジンを回しているオジサン。 いい笑顔です。

マフラーというより煙突が付いていました。 直管だと思うのですが低いいい音がしていました。さすがOHV。

 

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■主催者側から、 「発動機を動体保存していただいている 」 という表現があって、なるほどそういう視点もあるのかと気付かされました。 発動機を回している方々って、 いかに発動機を低回転で安定して回し続けられるか?という ある種競技的な側面でこの手のイベントに参加されているのかなと思っていました。

 

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実際、

「回転数をもう少し落とせますか?」

「フライホイールの外径と重さを教えてくれ」

という質問が出ていたり、 冷却水やエンジンヘッドに温度計を当てて測温していたりと、 より高みに登っていこうというような “ストイックさ” を感じられる集まりです。

 

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ただ色んな方とお話をしていると、 「何とか回せるようになったね」というねぎらいの言葉が出ていたり、 「ガスがピストンの下から噴き出ているから、リングがもうダメなんだよ」 「ボーリングもしたけど厳しいな、オイラーで何とかごまかしてるけど…」 というような発言も聞こえてきました。

 

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部品が皆無でどうしようもない厳しい状態の中、 細かい工夫を積み重ねながらも動態保存されているんだな、と感銘を受けました。

 

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牛柄にペイントされた発動機。Yさんは「もーもー号」と命名。

こういうのを見ると、自分も小さいのを1機欲しくなります。 こうやって洗脳されていくのでしょう。

 

■自動車編

 

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Yさんが大いに気に入っていた、スバル360。

高級Verのデラックスグレードです。 ほんとうに綺麗にレストアされていました。 後ろを開けてもらったのですが、エンジンもピッカピカ。

 

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よく調教されているようで、すぐにエンジンがかかり、 車用の空冷2st独特のバタバタという可愛い音をしながら走っていました。

 

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実働のトラクター。アメリカ製。 50年間現役。先日もコレで田んぼを耕したとか。

 

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この手の古いトラクターは ミッションから直接シャフトが生えているのが見えるので、 異常に無骨で凄くかっこいいです。

 

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コレまたエンブレムがかっこいいいんです。

 

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50年の歳月を感じさせるペイントのひび割れ。

一部のマニアックな方々からは「スパイダー」と呼ばれている、 このクモの巣状の塗装割れ。 バーナーで炙ったりして、狙って再現することも出来るようなのですが、 はやり実際に大事に使い込まれて来たものが放つ、独特の欠け・サビ・色抜けとかは、 有無をいわさぬ迫力があります。 ランに行くまで余り興味がなかったので 大して写真を撮影していなかったのですが、 実は大変珍しい車両もきていました。

 

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戦前のダットサンのクーペ。フェートンというらしいです。

1932年生まれ。詳細は日本の自動車技術240選 に記載されています。

 

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幌が外されてオープンカー状態にされております。

外装はノンレストアでぼろぼろながらも普通に走っていました。 びっくりしたというか謎だったのがエンジン音。 今のプリウスかというぐらい静かで、 みーーんという不思議な音をたててスルスルと滑るように走ります。 原理が全くわからない。

調べてみたら、750ccのサイドバルブで、3速D/C=オートマチック いや、、、サイドバルブだったらもうちょっといい音すると思うんだけど…。 謎です。誰か知っていたら教えて下さい。

 

 

■バイク編

 

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いよいよバイクです。 北関東周辺の常連さんが多く、 目新しい車両は無かったものの、みなさん本当にきれいな車両を展示していました。

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毎度おなじみのメグロ・Z7。 写真には収めませんでしたがスタミナもいました。 下野旧車会の方の車両でしょうか? コンディションは抜群です。

 

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このへんが戦前車両。 イギリスのBSAとか、ドイツのツンダップとか。 BSAは昨年の水浸しの雨の中、数十年以上前に履かれたタイヤで器用に旋回するという 常識破りな走りを見せたバイクです。

 

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陸王軍団も多数襲来。

 

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この緑の陸王はいわき市からいらっしゃっていて、 「ありえない位かっこいいコレ」 とYさんがため息混じりで大興奮していました。 確かにSVからナックル・パンに至るハーレーは メカメカしくて本当にかっこいい。曲線的なデザインからも、美しさを感じます。

 

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ベロセットのエンジン。

当時の最新技術てんこ盛り。 なんでこんなに絵になるエンジンなのだろう? かっこいいわあ。コレだけでごはん食べれる。 よくあるディスプレイで、エンジン単体で置いてあったりしますが、 僕はあんまり興味を示しません。

エンジンはバイクとセットでなんぼだろうと。もっと言えば走ってなんぼ。

ただベロセットのエンジンは、自分でもやりたい飾りたい。 是非リビングにおいて愛でたい。時々オモテウラ入れ替えて楽しみたい。 そんな気にさせる、心底美しいエンジンだと思うのです。

 

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RD250。 前から見たら、一瞬RZに見えてしまいました。空冷ですね。

アメリカ製の社外チャンバーが雷のような音を響かせて、 あぁ2stがきたー と頬を緩ませてくれました。 「2stは維持するのが大変だと思いますが、大切にしてあげて下さい」 という主催者の方の話を聞き、あぁ2stの現状ってあのレベルの方々でもそういう認識なのだな。 と驚かされたのが印象に残っています。

 

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ホスクの200cc。 イギリスの古いバイクと思っていたのですが、 なんと国産車。

雨後の筍のようにバイク会社が乱立していた時代のマシンです。 色々なメーカーの例に漏れず、当時世界最先端だったイギリス車をコピーしたのですが、 そのクオリティというかセンスたるや、他のメーカーのそれとは一線を画していると思いました。 ボディの線が綺麗です。 ホスクはよく知らないメーカーだったので、色々調べてみたいと思いました。

 

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ものすごくきれいなBMWのサイドカー W1のサイドカーも来ていました。

 

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手前のCB750K0も綺麗ですが、その奥のMV AGUSTAが凄いです。 こんなのがタンクバックつけて普通に置いてあるって…。

 

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そんな強烈な連中ばかりかと思えばSW-1が置いてあって、

 

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その前でバイクイラスト売っていたり。 SW-1大好きなので、なにげに見れて嬉しかったです。 最強のビジネスバイクですからねコレ。

 

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タイガーカブ。 シングルトラの200cc。小さくて可愛いナセルヘッドライトのバイク。 「これなら乗れそう。乗ってみたい」と嫁談。

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山口ランペッド。 可愛いピンク色。50年前のバイクです。 よく残ってましたね。

 

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このバイクはモトグッチの… ファルコーネ? 「郵便屋さんみたい」とか行ってる小さい子がいて、 ちょっと微笑ましくなりました。 確かに後ろ半分は郵便やさんっぽい。むしろコレで仕事できるなら郵便局員になりたい。

 

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そして72歳のおじいさんが乗るとんでもバイク。 コレもモトグッチ。今回初参加。

 

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排気量は多分498cc 見たことがないエンジンの機構で、吸気側がサイドバルブ。 排気側がプッシュロッドを介したOHV。

オホッツバルブという形式らしいです。 うん、間違いなく博物館級の車両です。 キックはゼンマイみたいな機構が付いているのか、 ギーッ、ギーッという音をさせながら3回ほど踏み込んで、 最後にストンと軽く踏み込んだらエンジンがかかりました。 おじいさんの脚力でもらくらく始動。

 

 

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もうかれこれ50年近く乗っているとのこと。

一旦手放したこともあったようですが、色々縁あって戻ってきて、 それ以来ずーっと乗っているというお話をして頂きました。 「やはりバイクは飾るものではなくて、  撫でたり動かしてみたりして、かわいがっています」 というおじいさんの言葉に、F川さんは痛く感動していたようで、 「ああいう年のとり方をしたい」としみじみと呟いていました。

嫁のYさんは「え?撫でるの?撫でるって何?」と バイク乗りの言語感覚に明らかな惑いを見せていました。

 

…ちなみに私が撫で回しているLTDですが、 生まれが昭和50年前後のバイクということで、 戦前のバイクとかが普通に闊歩しているこのイベントでは、 超若輩者の若造ペーペー状態。 分をわきまえて隅っこに駐輪していたら、興味を示してくれる方もいたようで、 何人かがLTDを写真に収めている姿を目撃しました。

まぁまだギリギリオリジナル要素を残しつつ走ってますからね、 楽しんでいただけたら嬉しいです(笑) 色々見学している間に時間は過ぎ、 なにか急に風が出て寒くなってきたので、引き上げることにしました。

 

 

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30年も続くこのパイオニアラン。 関係者の方々の尽力には、本当に頭がさがるものが有ります。 これからも是非参加したいです。

ただ、出店の1~2店舗くらい有ってもいいのになぁとおもいました。 フランクフルトやたこ焼きとか売ってたら絶対食べるのになぁ。 コレばかりは主催者側のコンセプトメイキングにかかっているでしょうし、 会場がろまんちっく村という商業施設でも有るので、 許可とか手間がかかるのかもしれませんね。

 

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以上でレポートを終わります。 ありがとうございました。

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